住みながらでもできる断熱リフォームとは?部位別工事から補助金まで解説

みなさんは冬に備えて住まいの断熱を見直したことはありますか?「暖房機器をつけるから寒さは気にならない」「大掛かりな改修工事はしたくないから多少の寒さ・暑さは我慢する」そのように考えている方も多いかもしれません。しかし、住まいの断熱性能を上げることで暑さ・寒さ対策以外にもメリットが得られます。そこで、今回は住みながらでもできる「断熱リフォーム」について、具体的な工事内容や補助金・助成金情報を紹介します。家の寒さや暑さにお困りの方は、ぜひコラムの内容を参考に「断熱リフォーム」を検討してみてください。

このコラムのポイント
・断熱工事は、新築住宅に限らずリノベーションでもできる。
・断熱リフォームをすることで、家の寿命が延びて健康的な暮らしが送れる。




寒さ・暑さ対策に効果的な「断熱リフォーム」とは?メリットは?

新築住宅の高気密・高断熱化が進んでいる中、既存住宅の断熱リフォームも浸透してきています。では、なぜ既存住宅の断熱性能を見直す必要があるのでしょうか?主な理由は下の3つです。

  • 築30年以上経つ木造住宅は気密性が低く、隙間風が入りやすいため。
  • 断熱材(スタイロフォームなど)は経年劣化して断熱性能が低下するため。
  • 古いアルミサッシ(窓やドアなど)は断熱性能がないため。


築30年以上経過している木造の戸建て住宅においては、気密性はあまり重視されておらず、隙間から冷気や熱気が侵入してきたり、空調機器で調節した室内の空気もすぐに逃げてしまいます。また、新築当初にしっかりと断熱材が入れられていたとしても、種類によっては経年劣化によってその性能が低下している可能性もあります。

このように、築年数が古い住宅においては、機能や見た目に問題がなくても断熱性はないというケースが多く、断熱リフォームをすることで大きな変化が期待できます。では、断熱リフォームをするメリットはどのような点でしょうか?

  • 冷暖房効率が上がり、省エネにつながる
  • 結露が減り、家の寿命が延びる(劣化を食い止められる)
  • 室温が安定することで血圧が安定して、ヒートショックの発症を防げる


まず、外気の影響を受けにくくなるため室温を調節するための空調機器を使う機会が減ります。また、冷暖房で調節された温度を長時間キープできるようになるため、光熱費を削減できます。そして、真夏や真冬など室内外の気温差が大きい時期でも結露が発生しににくくなり、内装材や躯体への湿気によるダメージを最小限に食い止められます。湿気が減るとシロアリの発生も抑えられるため、家全体にとってもメリットが大きいです。

そして何よりも断熱性能が上がることで健康的メリットが得られるというのも重要です。国土交通省が行なっている「健康維持増進住宅の研究」によりますと、健康負荷の原因となる各種の影響要因の一つに、室内外温度差によるヒートショックや浴室・脱衣室の不適正な温度など熱環境の問題が挙げられています。断熱リフォームをすることで、室内外の温度差はもちろん、室内間での温度差を軽減できたりそれぞれの空間を適正な温度に保つことができます。

このように、オプションのように捉えられがちな断熱リフォームは、私たちの生活を快適にするだけではなく家や住んでいる人の寿命を延ばす重要な工事なのです。


住みながらでもできる断熱リフォームは?

断熱リフォームをしたくても大きく家を解体したりなどの大掛かりな工事は、住みながらすることは困難です。そこで、ある程度日常生活を維持しつつ工期が短く済む断熱工事を紹介します。

玄関ドア・窓サッシ

まず一日で工事が完了してしまう断熱リフォームが、玄関ドアや窓などのサッシ工事や硝子工事です。手軽な上に効果を実感しやすいため、開口部が多い家や、窓際の寒さや暑さが気になっている方のおすすめします。主な工事内容は以下の通りです。

・玄関ドア・窓サッシのカバー工事

既存の玄関ドアや窓サッシを丸ごと取り替えるとなると、周囲の壁や床を取り壊す必要があるため一日で工事を完了することは難しいです。しかし、既存開口部枠を活かしつつ、内側に一回り小さいサッシを納める「カバー工法」なら、工事は半日〜一日で完了し、周囲の取り合い工事も発生しません。手軽に高断熱性を持つドアや窓に取り替えられるため、コストパフォーマンスの良い断熱リフォームと言えます。

ただし、既存の開口部枠を残して内側に新たにドアやサッシを取り付けるため、開口部が既存より狭くなってしまいます。ですから、車椅子で出入りする場所など有効開口を重要視している場所への施工はおすすめできません。

・インナーサッシ(内窓)の設置工事

既存窓の内側にインナーサッシ(内窓)を設置することも大きな効果が見込めます。極寒地域では標準装備されていることも多いインナーサッシは、既存窓との間に大きな空気層ができるため断熱サッシ単体よりも高い断熱性を発揮できます。

ただし、窓枠の奥行きが広い場所でないと設置できず、窓を開閉する際の手間が2倍になってしまうという注意点があります。窓枠をすっきりしたデザインにしたい場所や、頻繁に開閉する場所にインナーサッシを設置する場合は、よく検討してください。

・複層ガラス(ペアガラス)への取り替え工事

単板(一枚)硝子から複層硝子に変えるだけでも断熱性能は向上します。最近では、単に硝子を複数合わせたものだけではなく、硝子間を真空にした真空硝子や、さらに遮熱コーティングをしてある商品もあるため、予算に応じて高スペックの硝子を選択できます。大きな開口部においては、かなり効果が期待できるでしょう。

しかし、ここで注意しなくてはいけないのが硝子をはめるサッシの断熱性についてです。いくら硝子を高スペックのものに取り替えても、サッシが断熱されていないと意味がありません。むしろ、サッシに冷暖気の出入りが集中して、結露がひどくなる可能性もあります。複層硝子への取り替えを検討する際は、サッシ自体にも断熱性があるかを確認してから施工しましょう。

天井・床下・内壁

天井・壁・床下に断熱材を追加する工事は大掛かりなものを想像するかもしれませんが、住みながらでも十分に施工できます。例えば、天井を一部だけ解体して屋根裏にグラスウールなどの繊維系断熱材を敷き詰めたり、床下に発行ウレタン系断熱材を入れる方法が主流です。また、内壁の上から貼れる薄型断熱ボードもあるため、大掛かりな解体工事や木工事は不要で、短期間で工事を完了できます。

浴室

古い住宅だと浴室が特に寒くて、ヒートショックなどの発生が懸念されます。築年数が経っていてタイル仕上げの浴室の場合には、断熱性の高い最新ユニットバスへの変更をおすすめします。天井・床・壁全ての断熱性が高く外気温の影響をほとんど受けないだけではなく、浴槽自体にも断熱材が貼り付けられているため、お湯の温度も下がりにくいです。

屋根・外壁

屋根や外壁は外気の影響を直接受けるため、優先的に断熱リフォームをすることをおすすめします。屋根材を断熱材付きのものに取り替えたり、外壁塗装の際に遮熱塗料を使うなどの方法があります。また、最近では既存屋根の上から軽量の屋根を乗せる「被せ葺き」や、既存外壁の上からサイディングパネルを張る方法も一般化しており、より気軽にリフォームできるようになりました。

ただし、被せ葺きやサイディングの上貼りは既存住宅へ荷重がかかってしまうため、築年数の経っている家や耐震性能に不安がある家には施工できません。必ず専門家に耐震診断を行なってもらってから施工しましょう。

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下記コラムでは耐震診断や耐震補強について詳しく解説しています。是非合わせてご覧ください。





新築住宅&中古住宅で使える補助金や助成金はある?

外観 日建ホーム

断熱リフォームは、環境的観点から国や自治体でも推奨しているリノベーション工事です。そのため、各種補助金や助成金が設けられています。ただし、全ての断熱工事に適応されるとは限らないため、断熱工事を検討する際はこれらの制度について工事会社に確認しましょう。主な制度は以下の通りです。

対象物件事業内容補助金額
(上限)

【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存戸建住宅
既存集合住宅
省エネ効果(15%以上)が見込まれる改修率を満たす高性能建材(断熱材・窓・硝子)を用いた既存住宅の断熱リフォーム事業120万円/1住戸
(戸建住宅)
15万円/1住戸
(集合住宅)

次世代省エネ建材の実証支援事業
既存戸建住宅
既存集合住宅
省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援300万円/1住戸
(戸建住宅、外張断熱施工の場合)
125万円/1住戸
(集合住宅、断熱パネル施工の場合)
グリーン住宅ポイント既存戸建住宅
既存集合住宅
新築戸建住宅
グリーン住宅ポイントによる環境対応等住宅需要喚起対策事業工事内容や使用した断熱製品により付与ポイントが異なる(東京からの地方移住や多子世帯にはポイント加算あり)
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金新築戸建住宅
(個人所有の場合)
経済産業省・国土交通省・環境省が連携して、住宅の省エネ・省CO2化に取り組み、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現することが目標105万円/1住戸


これら以外にも各都道府県や市町村で断熱工事に関する補助金・助成金制度を設けているところもあります。断熱リフォームをする際には、事前に役所の担当部署へ利用できる補助金制度がないか相談に行きましょう。その際には、施工会社から提出された見積書や図面、仕様書を持参すると、より具体的な情報を得られます。

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断熱リフォームは高気密高断熱住宅の実績がある会社に

「断熱リフォームはどこに依頼しても同じ」と考える方もいますが、技術や知識のない会社に頼むと後悔するケースも少なくありません。なぜなら、きちんと施工しないと、断熱性能を実感できないだけではなく結露がひどくなるケースもあるからです。また、24時間換気システムと組み合わせるなどの湿気対策も合わせて提案できる会社であれば、「断熱」に捉われずに快適な住まいにリノベーションできます。

私たち日建ホームでは、新築住宅においては全棟「高気密・高断熱住宅」を目指しており、数多くの断熱リフォームを手がけてきました。また、全館空調システムや24時間換気システムも積極的に採用しているため、トータルでお客様の快適な住まいをご提案できます。定期的に相談会や現場見学会も開催しておりますので、少しの疑問でもぜひお気軽にご相談ください。

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下記コラムでは、全館空調や24時間換気について詳しく解説しています。是非合わせてご覧ください。




まとめ|断熱リフォームで快適な住まいに

今回は、既存住宅でも住みながらできる断熱リフォームについて詳しくお話ししました。新築住宅においては高気密・高断熱住宅は珍しくはありませんが、既存住宅で短期間の工事で断熱性能を上げることは可能です。その際には、経験や知識が豊富な施工会社へ相談しましょう。湿気対策や空調システムなど総合的なアドバイスが受けられます。私たち日建ホームでは建築士やコーディネーターなどの専門家がが様々な角度からあなたの素敵なマイホーム作りをお手伝いします。随時相談会も開催しておりますので、興味のある方は是非ご参加ください。




千葉県で断熱リフォームをご検討中の方は日建ホームへご相談ください

おそらく一生に一度か二度になるであろう大切な家づくり。人生の一大事業ですので、たくさんの“希望”をお話し下さい。私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」お客様の家づくりに真摯に取り組みます。

お約束①自分の家を建てるように心を込めて丁寧につくります。
私たち日建ホームは、千葉県我孫子市を拠点とする地域密着の工務店です。世界で唯一無二のオーダーメイドの家。暮らしの夢や希望を丁寧にヒアリングし、プロの建築技術集団として注文住宅にしかできない住み心地を実現します。

お約束②現場をきれいにします。
家は、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねて出来上がっていく究極の手仕事。現場をきれいにすることでムリ・ムダ・ムラを排除しスムースに安全に家づくりができます。近隣に配慮し何よりもお施主様に喜んでいただける現場を目指します。

お約束③一生涯のパートナーとしてずっと家をお守りします。
「家」は住み始めることで「住まい」となり、住み始めてからも理想の暮らしの追求は続きます。住み続けることで変化する事柄に、ハウスドクターとして一生涯、何でも相談していただけるよう、いつも、そしてずっと傍らに居続けます。

お約束④「健康快適設計基準」で健康配慮の家をつくります。
「家」と「健康」には密接な関係があります。毎日を過ごす家のデザインや性能が身体的・精神的に大きく影響します。温熱性能(高気密・高断熱・24時間換気)、自然素材、健康配慮の家をつくります。

お約束⑤5つの保証制度で責任をもって保証します。
建設工事総合保証、無料定期点検10年間 、瑕疵担保責任10年間、地盤保証システム20年間、ぽけっと団信 住宅代金保証制度(オプション)で責任をもってお施主様の家をお守りします。



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TEL:04-7188-5222
日建ホーム株式会社





著者情報

日建ホーム編集部

日建ホーム編集部

私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」という気持ちで親身になって寄り添いながらお客様の家づくりに真摯に取り組んでまいります。
一級建築士・一級施工管理技士・耐震診断士・宅建士・福祉住環境コーディネーターのいる建築プロ集団です。

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