椿の魅力

天気予報で桜の開花予想が話題になる季節になりましたが、今の時期は椿の花が見頃ですね。「椿」は春を代表する木ということから日本で作られた漢字で、俳句では椿は春の季語として使われています。我が家の庭先でも、昨年思い切って強剪定して切り詰めた二本の椿が、きれいに花を咲かせています。(写真)そこで、昔から日本人に愛されてきたツバキ(椿)について調べてみました。

ツバキ(椿)は日本原産で学名もCamellia japonica(別名:ヤブツバキ)、常緑高木で光沢のある濃い緑の葉をもち、暑さ寒さに強く日陰でも育つ強健な花樹です。ツバキの園芸品種は数が非常に多く、国内で2,200以上、海外で作り出された椿は5,000以上の品種があるそうです。ツバキは世界中で愛されているようです。

ツバキの名前の由来には諸説あり、厚みのある葉の意味で「あつば木」、つややかな葉の「つやば木」光沢のある葉の「つや木」など、花より葉の美しさに名前の由来があるのは面白いですね。ツバキに似た花で初冬に咲くサザンカ(山茶花)がありますが、サザンカ、寒椿、侘助、茶の木は全てツバキの仲間です。

古くは日本書紀や古事記にも椿のことが記されており、椿油でも知られるように椿は元々は油料として栽培されていました。奈良時代に入ると花樹として鑑賞するようになり、戦国時代の茶人で有名な千利休は茶花として椿(侘助)を好んでいたそうです。江戸時代はじめには上流武士に人気が広まり、その後の園芸家の品種改良などによって民衆にも花開しツバキブームが起きました。椿の花は奥が深いですね。

最後に、ツバキ、サザンカの木の手入れをする際には、チャドクガの幼虫(毛虫)に注意しましょう。幼虫は4月から10月にかけて年二回発生し、葉を食害するだけでなく人間にも害を及ぼします。毛虫の毒針毛は直接触らなくても木の下を通っただけでも刺され、激しい痛みとその後の痒みで痛い目にあいます。 

By Hira