建築士定期講習を受講して

気候変動と健康を考えた家づくり  

一級建築士定期講習で学んだ最新トレンド

先日、一級建築士の定期講習を受講してきました。建築基準法や関係法令が毎年少しずつ改正されることは当然ですが、3年毎に受講するこの講習では、業界全体のトレンドをあらためて感じる良い機会となります。
今年特に強く印象に残った項目はこちら
1. 気候変動と省エネ
2. 健康と建築
という2つのテーマです。

■ 1. 気候変動と省エネ

地球温暖化に伴う異常気象は、私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。住宅においても「夏の猛暑・冬の寒さをいかに少ないエネルギーで快適に過ごすか」が重要な課題です。

・断熱性能の向上
 これまで以上に高断熱・高気密が求められています。夏の冷房負荷を減らし、冬の暖房エネルギーを最小限に抑えることで、電気代の節約だけでなく、CO₂排出量削減=地球環境保護にも貢献します。

・パッシブデザインの活用
 窓の位置や庇(ひさし)の設計で、夏は日射を遮り、冬は太陽光を取り入れる工夫が改めて注目されています。

・再生可能エネルギーの活用
 太陽光発電や蓄電池を導入するお客様も増えていますが、講習でも「地域特性に合わせた再エネ利用」が推奨されていました。

■ 2. 健康と建築

今回の講習で特に印象深かったのは、「建築が人の健康に与える影響」が強調されていたことです。

・ヒートショック対策
 冬場の浴室や脱衣室、トイレの温度差が健康被害を引き起こすことが問題視され、家全体の温度差をなくす設計が重要だと再認識しました。

・換気と空気環境
 省エネ住宅では高気密化が進む一方で、適切な換気計画がなければ、結露・カビ・アレルギーの原因になります。最近は高性能換気システムの普及が進んでいます。

・自然素材の活用
 シックハウス対策だけでなく、無垢材や漆喰など自然素材が持つ調湿作用やリラックス効果が改めて見直されています。

■ これからの家づくりに必要なこと

今回の講習を通じて改めて感じたのは、これからの家づくりでは「快適性+省エネ+健康」の3つがそろって初めて「良い住まい」と言えるということです。

当社でも、松尾設計室の松尾和也先生による最新の技術トレンドを学びながら、ご家族が長く安心してエコに暮らせる住まいづくりを心がけています。

家づくりは一生に一度の大きな選択です。安心や安全は勿論ですが、長く暮らす家なので省エネ性能と値上げの著しい光熱費も考慮し、後悔しない家づくりをしたいですね。

塩毛康弐