暦(こよみ)とともに暮らす ― 季節を感じる小さな工夫

忙しい毎日の中で、気づけば季節が過ぎていた…そんなことはありませんか。
実は「暦(こよみ)」を少し意識するだけで、日々の暮らしに季節感を取り入れることができます。

暦が教えてくれる自然のリズム

私たちが普段使っている新暦(しんれき)はとても便利ですが、自然の移ろいを感じるには「二十四節気」や「七十二候」といった昔ながらの暦が役立ちます。
旧暦の正月は新暦では2月が多いのですが、たとえば「立春」と聞けば「暦の上ではもう春」。まだ寒い時期でも、少しずつ春の訪れを意識できるのです。

季節を味わうヒントとして

暦を知ると、日常の小さな工夫が楽しくなります。

  • 「立夏」には涼やかな器で食卓を彩る

  • 「大暑」には涼しい風鈴を窓辺に吊るす

  • 「秋分」には夕焼けを少しゆっくり眺めてみる

こんなふうに、暦をきっかけに季節を感じる時間をつくるだけで、毎日が少し豊かになります。

行事を暦で楽しむ

お盆や七夕などの行事は、本来は旧暦に合わせて行われてきました。旧暦の七夕は8月頃で、夏の夜空に天の川がはっきりと見える時期。そんな背景を知ると、行事の意味がより深まります。
家族や友人と一緒に「旧暦での行事」を楽しむのも、暮らしの中に季節を取り入れる方法のひとつです。

日本の暦は単なる日付の目安ではなく「自然と共に暮らす昔からの知恵」です。少し意識するだけで食事や住まい、家族との時間に新しい彩りを添えてくれます。季節の節目を暦をヒントに感じてみませんか。

塩毛康弐