鳥と自然と人が共に暮らすまち ― 我孫子にて恒例のジャパンジャパンバードフェスティバル開催

鳥と自然の視点から地球環境を考え、パッシブ設計など自然と調和する家づくり

11月1日(土)2日(日)の2日間、我孫子市では恒例の「ジャパンバードフェスティバル(JBF)」が開催されます。全国からバードウォッチャーや自然愛好家が集まり、手賀沼公園や鳥の博物館を中心に、観察会・写真展・山科鳥類研究所によるレクチャーなどが行われる国内最大級の鳥の祭典です。手賀沼は冬になるとカモやオオバンなど多くの渡り鳥が羽を休める場所でもあり、市民にとっても四季の変化を感じられる憩いの場となっています。
近年、全国的に鳥の生態にも変化が見られ、温暖化の影響で渡りの時期がずれたり、北へ生息地を移す鳥が増えたりもしています。身近な自然の変化は、私たちの生活環境とも深くつながっていて、夏の猛暑、線状降水帯による大雨、冬の寒暖差等。これらもすべて地球全体のエネルギーバランスの乱れが影響しています。鳥たちの行動は、地球からの“サイン”とも言えるのではないでしょうか。

鳥たちが快適に暮らす環境には、風の通り道、水辺の緑、日差しのぬくもりがあります。実は、これらは「人が快適に暮らす家づくり」とも共通しています。私たちの目指す住宅は、自然の力を上手に取り入れた“パッシブ設計”。南からの日射を利用して冬は暖かく、夏は軒や植栽で日差しを遮り、風を通す。そんな設計は、電力に頼りすぎず、自然のエネルギーと共に暮らす「地球にやさしい家」です。まるで鳥が巣をかけるように、土地の特性や季節の移ろいを感じながら、その場所に最もふさわしい形の住まいを考えることが、これからの家づくりに求められているのではないでしょうか。

手賀沼のほとりには、葦原や雑木林、そして人の暮らしが共存しています。私たちも、地域の自然や生きものたちを感じながら、環境に配慮した住まいを提案していきたいと考えています。「鳥と自然、そして人が共に心地よく生きる」そんなまちづくりと家づくりが、我孫子から全国へ広がっていくことを願っています。

手賀沼と野鳥

追記:柏・我孫子の魅力
手賀沼のまわりを歩いていると、四季の移ろいと共に鳥の姿が変わります。冬はカモの群れ、春はサギやカワセミ、夏にはツバメが飛び交い、秋はまた渡り鳥たちの声が戻ってきます。こうした自然の営みをすぐそばで感じられるのが、我孫子の大きな魅力の1つ。住まいづくりの視点から見ると、こうした自然環境は暮らしをより豊かにしてくれます。たとえば、南からの光や風の流れ、庭の樹木や小さな水辺が、季節ごとの心地よさをつくり出し、自然と調和する家は、見た目の美しさだけでなく、暮らしのリズムまでも穏やかに整えてくれます。鳥たちが安心して羽を休めるように、人もまた自然と寄り添う家で心を休める。そんな風景が、このまちの未来にずっと続いていくことを願っています。

 

塩毛康弐