気候変動と住宅の未来 ― 私たちが今できること

気候変動が進む今、住宅が果たすべき役割とは。断熱性能・再生可能エネルギー・省エネ設計など、家づくりを通じて地球環境に貢献する方法を紹介します。

ここ数年、季節の移り変わりがはっきりしなくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。真夏のような暑さが10月まで続き、秋は短く突然冬の寒さがやってくる・・・。これは単なる気象の変化ではなく、「地球温暖化」が確実に私たちの暮らしに影響を与えている証です。
気温上昇によって、熱中症のリスク増加、豪雨や台風の強大化、そしてエネルギー消費の増大が進んでいます。私たちが日々使う電気・ガス・ガソリンの一つひとつが、実はこの変化と密接に関わっています。

お施主様

穏やかな日常

家庭で排出される二酸化炭素の多くは、「冷暖房」「給湯」「照明」など、住宅そのもののエネルギー使用に由来します。住宅の断熱性能を高めることは、エネルギー消費を減らし、結果としてCO₂排出量を削減する最も効果的な方法のひとつです。
たとえば、高断熱・高気密住宅は、わずかな暖房で室内を快適に保ち、エネルギー使用量を従来住宅の半分以下に抑えることも可能です。「地球の未来」を語ると少し大きく聞こえますが、実際には一軒の家、一人の暮らしの積み重ねが環境を変えていくのです。

太陽光発電や蓄電池などの導入も、住宅ができる環境対策の柱。昼間は自宅で発電し、夜間は蓄電池にためた電力を使う。そんな「自給自足型の住まい」は、災害時にも強く、環境にもやさしい暮らしを実現します。
さらに、断熱性能と組み合わせることで「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」が実現し、年間のエネルギー収支をプラスマイナスゼロにすることも可能です。太陽や風といった自然の恵みを上手に活かす家づくりこそ、これからの住宅の理想形だといえます。気候変動を止めることは簡単ではありません。しかし、「今日の暮らしを少し見直すこと」からなら、誰にでも始められます。たとえば、エアコン設定温度を1℃見直すこと、照明をLEDに替えること、そして断熱リフォームを検討することも立派な行動です。

お施主様邸

たっぷりの薪を確保

私たちは、家づくりを通じて「地球のためにできる小さな選択」をお客様と一緒に積み重ねていきたいと考えています。未来の子どもたちが安心して暮らせる地球のために。住宅から始まる環境配慮の輪を、これからも広げていきたいと考えます。

塩毛康弐