全館空調のメリットとデメリットを解説!気になる電気代と費用はどれくらい?
今、「全館空調」による家づくりが注目されています。全館空調とは、住宅全体の「冷暖房・換気・空気清浄」などを1~2台の空調設備で一括で管理できるシステムのこと。各部屋にエアコンを設置せずに済み、家の中の温度差を少なくでき、外気中の花粉やPM2.5のような粒子もフィルターで取り除いて換気を行うことができます。一方で、電気代が高そう、実際に住んでいる人の感想が知りたい!と考える方も多いでしょう。そこで今回は、全館空調のメリット・デメリットと、気になる電気代や導入費用の最新事情などを解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
全館空調とは?
全館空調とは、住宅全体の「冷暖房・換気・空気清浄」などを1台の空調設備で一括で管理できるシステムのこと。各部屋にエアコンを設置せずに済み、家の中の温度差を少なくしてヒートショックを防止したり、外気中の花粉やPM2.5のような微粒子もフィルターで取り除いて換気を行うため、きれいな空気を室内に循環できるなどのメリットがあります。
全館空調って、実際はどうなの?
ところで、最近話題の全館空調って、実際はどうなのでしょうか?年中快適に暮らせそうだけど光熱費がかかりそう、そんなイメージもありますよね。そこで、あらためて、全館空調について、導入前の方と導入後の方の口コミを集めてみましたのでご紹介します。
全館空調に関する意識調査
ある民間の調査で、全館空調導入前の方に調査を実施したところ、
・現在の住宅の空調設備に不満がある方が全体の4割
・そのうちエアコンでのお悩みが最多で2割
・全館空調は「一年中家の中のどこも快適だけど、光熱費が高そう」と考える方が4割
出典:日経ホームビルダー特集 「全館空調」の実力を検証する(2019年10月号)
という結果となっています。
たしかに、エアコンは便利だけど一長一短だし、全館空調は電気代がかかりそう、というのが皆さんの気になるところ。では実際のところは、どうなのでしょうか?全館空調を導入された方の口コミ情報をチェックしてみましょう。
全館空調を導入した方の口コミ情報
先ほど全館空調は電気代が高い?というイメージをお持ちの方が全体の4割にものぼるという調査結果をご紹介しました。確かに数年前はそのようなイメージが主流でしたが、近年、各メーカーが積極的に開発を進めてきた結果、費用面や性能も向上し、最近では比較的リーズナブルに導入できるようになりました。また、様々な方式が開発されて選択肢も広がったことで、より導入される方が増えているのが実際です。では、実際に住んでみた感想について、主に首都圏の方の口コミ情報を集めましたのでご紹介します。たとえば、
- ・導入費用はエアコンよりもかかったけど、家にいる時間が増えて室内に温度差がないのは確かに快適だと実感
- ・各部屋にエアコンをつけると見栄えが良くないと思っていた。全館空調はすっきりして気持ちいい
- ・私の場合、花粉症にもよくて助かります。小さい子どももいるので空気がきれいで安心です
- ・うちはペットがいるので留守中の部屋の温度や臭いも気にせず出かけられるようになった
- ・寒暖差が少なく老後もヒートショックや熱中症の心配も少ないと思う
- ・地熱、太陽光、自然の力も活かした設計をしてくれたのでエコでお財布にも優しいのがうれしい
- ・冬の朝、トイレやLDKが冷えていないので朝起きるのが楽になった
- ・意外と洗濯物が室内でも乾きやすいのが便利
- ・全館空調をつけなくてもいい季節もあるし、電気代もかかる月とそうでない月がある
- ・冬は加湿器は必須ですが寒くなく快適なのが何より
- ・空気がきれいにするために高性能フィルターにすると掃除をまめにするのがちょっと面倒かな
といった声がありました。それぞれの暮らし方に応じてメリット・デメリットもあるようですが、多少の費用はかかっても、一度、実感した全館空調の快適さには皆さん納得されているようですね。
全館空調のメリット
では、全館空調のメリットについて改めて整理しておきましょう。
【快適性】室内の寒暖差が少なく夏も冬も快適
全館空調の最大のメリットは、住宅全体を寒暖差の少ない室内温度に維持し、クリーンな空気を供給し続けることで快適な住空間づくりができることです。
メリット①室内温度を快適な温度に維持する
室内の寒暖差は、ヒートショック、熱中症など健康面に重要な影響を及ぼします。そのため、できるだけ寒暖差のない室内環境をつくることが健康で快適な暮らしを実現するための重要な条件となります。ヒートショックとは、冬場の入浴時などに温度差が10度以上ある場所に移動すると、血流が急激に変化し、心筋梗塞・脳梗塞・不整脈などを起こして事故につながるリスクが高くなる現象のこと。特に真冬は廊下、トイレ、脱衣所、浴室などは、室内でも気温差が生じやすく、入浴時、深夜のトイレなどで急激な気温差により、体調変化が急変するリスクが高まるなど、健康面に重大な影響を及ぼす可能がありました。
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの調査では、ヒートショック等による入浴中の死亡事故は全国で年間約1万千人にものぼると推計しています。日本は世界でもヒートショックの発生件数が世界一多く、その原因は日本の住環境や生活習慣が影響していると指摘されています。日本の住宅は、冬は廊下や脱衣所が寒く、寒さで血管が縮むと血圧が上昇します。浴室が寒いとさらに血圧が上昇してしまいます。そのような状態で熱いお湯につかると血管が急激に拡張し血圧が低下した結果、心筋梗塞などが生じてしまいかねません。特に真冬の12月~2月は事故が多発しますので、健康で快適に暮らせる家づくりには十分な対策が必要です。
メリット②室内の空気をクリーンに保つ
全館空調は、高性能フィルターで換気を常時しているため、室内の空気をクリーンに保つことができます。24時間換気が住宅の標準仕様となって以降、換気口のフィルターにより、フィルタの種類にもよりますが、花粉、埃、塵、カビ、さらにはPM2.5といった超微粒子もキャッチすることができるようになり、室内の空気を常時クリーンな状態で維持することができるようになりました。なお、全館空調はダクト等を通じて室内の空気を循環させますが、常に空気の流れを生じさせていますので、カビや水滴がつきにくく、ダクト内のカビが発生しにくい環境になりますので、エアコンのような嫌な臭いが発生しにくいというメリットもあります。マイホームで過ごす時間が長くなったアフターコロナの時代の住まいづくりは、全館空調がこれからの重要な選択肢といえるでしょう。
【デザイン性】上質な空間づくり、自由度の高い間取り
全館空調の第2のメリットは、デザイン性や空間づくりの自由度にあります。
メリット③デザイン性の高さ
全館空調は、天井や天井付近の吹き出し口からの通風で空気を循環させる構造になっています。各部屋にエアコンの凸凹した突起物がなくなりますので、室内の壁がすっきりします。また、デザイン性が高い上質な素材で構成された空間に、家電のような生活感を持ち込まずにすみますので、スタイリッシュな家づくりが可能になります。特に珪藻土や漆喰の壁など自然素材の質感を生かした安らぎのある空間づくりがしやすくなります。室外機も部屋ごとに設置しなくてよいので、住宅の外観もシンプルに仕上げることができます。
メリット④間取りの自由度を高める
エアコンは部屋ごとに設置するのが基本です。エアコンは冷暖房効率を高めるために間仕切りをするなど、ある程度、間取りが制限されることになります。また、部屋のどの位置、壁のどこにエアコンを設置するかは、機能性とデザイン性を兼ね備えた質の高い空間づくりをする上で熟慮が必要で、室外機の場所との兼ね合いもあり悩ましいケースも多々あります。しかし、全館空調にすれば、エアコンの台数や設置場所に捉われた間取りにする必要はありません。大きな吹き抜けや、開放感のあるLDKを実現しやすいのもメリットです。特に、吹き抜けリビング、リビング階段を取り入れる場合など、広い空間全体の室温を効率的かつ一定にコントロールできる全館空調は有効です。
【利便性】全館空調ならではのスマートな暮らし
全館空調は、家全体の空調を集中管理でき、日本の気候風土に適した機能的なメリットもあります。
メリット⑤家全体の空調を1か所でコントロールできるスマートな管理システム
全館空調は、住宅全体を1台の空調システムでコントロールできます(住宅のサイズや構造により複数台設置する場合もあります)。上の写真のように、空調、太陽光発電、防犯・インターフォンなどのコントロールパネルが一か所の壁に集約されていると機能的です。各部屋のエアコンの温度設定や風向などを個別に調整する必要がありません。全館空調は、基本的に24時間できるだけエネルギー効率が良い条件で安定的に稼働させることで、厳寒の冬の朝の起床時にも、真夏の酷暑の帰宅時も、自動で最適な条件に調整や管理をしてくれていますので、一年中快適に、夏は涼しく、冬は暖かく暮らすことができます。
メリット⑥気象や外気の変化に左右されにくいので家事の自由度が高まる
また、全館空調の住宅は、一般住宅よりも、昨今の極端な気象変化や、花粉、PM2.5などの大気中の微粒子など、気象や外気の変化に影響を受けにくい生活環境がつくれますので、屋外に洗濯物が干せない梅雨時、花粉が多い季節でもランドリールームで洗濯がしやすくなった、というご意見も多く伺います。特に共働きの方、外出が多い方、夜間に洗濯をされる方などの家事の負担や時間の制約も軽減できるメリットもあるのです。
全館空調のデメリット
では、全館空調のデメリットについても確認しておきましょう。
導入費用とランニングコスト
全館空調の導入には、以前よりはリーズナブルになってきましたが、設置には相応の設備費用がかかります。実際の初期費用とランニングコストはどれくらいなのかみてみましょう。
初期費用
例えば、35坪~40坪の4LDKの2階建て住宅に全館空調システムを導入する場合、設置費用は約100~250万円ほどが目安です。住宅ローンで支払うとすれば月3,000~6,000円前後です。仮にエアコンを4LDKに各部屋ごとに導入するとなると50万円程度はみておく必要がありますので、ここ数年で全館空調が現実的な選択肢になってきていることがおかわりいただけると思います。なお、費用は、空調メーカー、家の大きさ、部屋数などによって変動しますのでご参考まで。
ランニングコスト
全館空調はここ数年で、各メーカーの開発が進み、設備そのものの性能、コストパフォーマンスが格段に向上しました。ランニングコストも、メーカーによっては35坪の住宅で24時間365日稼働しても、全館空調の電気代で月5,000~6,000円というケースもあるようです。
なお、一般住宅で全館空調を導入した場合と、高気密・高断熱住宅で全館空調を導入した場合では、必然的に、熱効率に優れる高気密・高断熱住宅のほうが電気代は抑えやすくなります。また、太陽光発電システム等と組み合わせて、売電収入を得ることも可能です。月によっては収支がプラスになることもありますので、住宅の省エネ性能、エネルギー効率について総合的に判断して導入を検討するとよいでしょう。
なお、日建ホームでは、全館空調を導入した高断熱(UA値0.28)、高気密(C値0.3程度)の温熱性能を実現したモデルハウス「LIVING DESIGN nex」をオープンしました。ぜひ上質なホテルのような快適な空間を体感してください。
定期点検が重要
全館空調は、本体が故障した場合、空調設備が使えなくなってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスをしっかり行うための点検費用をみておく必要があります。メーカーによって異なりますが、年間1万円~2万円、フィルター交換1,500円~5,000円程度が多いようです。
部屋ごとの温度調整が難しい
住宅全体の気温を、夏は暑くなく、冬は寒くなく、できるだけ一定の範囲に収まるように温熱環境を管理できるのが全館空調の特長です。最近は部屋ごとに多少の調整が可能な仕組みを導入する全館空調もでてきました。体感温度には個人差がありますので、暑がり・寒がりの家族がいる場合には、その方がちょうどいい環境になるように、設定温度、補助器具、衣服などで補助的な対策で対応調節ができる方法を検討しましょう。
なお、季節によっては、全館空調を使わずに、外気を取り入れて暮らしたいという場合もあります。その場合、たとえば季節の変わり目には1か月程度、全館空調をオフにするという方もいらっしゃいます。全館空調を起動して、設定温度に達するまでにはある程度の消費電力がかかりますので、頻度が多いと電気代がかさむ場合がありますので注意してください。
空気が乾燥しやすい
冬場の場合は、高気密住宅の場合は全般的に室内の空気が乾燥しやすくなります。室内の壁や床などの素材が、調湿効果が期待できないビニールクロスなどの場合、より乾燥度合いが高くなります。そこで、高気密・高断熱住宅で全館空調を導入する際は、壁には珪藻土や漆喰、床や天井などに無垢材などの調湿効果の期待できる素材を用いることで、乾燥しやすい状態を緩和することができます。なお、乾燥対策として、加湿器を設置する、部屋干しをする、観葉植物を置くなどの工夫をされている方も多いようです。
全館空調を効果的に活用するには?
全館空調は、温熱環境を最適にするためのシステムです。その機能を最大限に引き出すには、高気密・高断熱な住宅性能であることが求められます。一般住宅や、高気密・高断熱といっても気密性の低い、たとえばC値で1以上の住宅の場合は、気密性が高いとは言えませんので電気代が膨らみやすくなります。
また、高気密・高断熱住宅の乾燥しやすさは、調湿効果の期待できる珪藻土や漆喰、床や天井に無垢材などをふんだんに用いることでカバーしやすくなります。室内干しなどができるランドリールームなどとの組み合わせを検討すれば、より効果的に全館空調の特長を利用した家づくりができます。
このように全館空調のメリットを活かし、デメリットを補いながら、より快適な家づくりを実現するには、気密性・断熱性の高さ、調湿効果の高い自然素材を用いるなどの総合的な家づくりの視点が重要と言えます。
上質なデザイン、機能美と素材美を兼ね備えた、快適で健康的な暮らしができる理想の住まいは、エアコンに依存しない全館空調の家づくりとの相性もよい組み合わせです。全館空調は、広々としたリビング、十分な部屋数の確保、防音性、快適な居住性などを考慮したアフターコロナの家づくりの重要な選択肢になるでしょう。
全館空調は、こんな方におススメ!
これまで全館空調のメリット・デメリットをご説明しました。また、その良さを引き出し、デメリットを補いながら効果的に活用する方法も検討しました。以上のような点を踏まえて、これまでお住いの住宅で、以下のような不満や違和感がある場合は、全館空調は導入コスト以上のメリットがあるのではないでしょうか。
- ・これまでの家は部屋ごとに寒暖差が激しく、底冷えがあった
- ・湿気がこもったり、空気がよどんだ感じがあり、カビやダニの発生が気になっていた
- ・吹き抜けのリビングやリビング階段などの開放的な間取りを考えている
- ・高齢のご家族、小さなお子さんがいる
- ・二世帯住宅を検討しているご家族
- ・介護や療養など寒暖差で体調に支障をきたしやすいご家族がいる
- ・ペットを室内で飼っている方
- ・冬の朝に寒くて起きられない、夏の夜は寝苦しくて睡眠が浅くなる方、など
以上のいずれかに該当する方は、全館空調の家づくりで住環境の改善につながるかもしれません。
全館空調のモデルハウスで快適さを実感
おそらく一生に一度か二度になるであろう大切な家づくり。これからの人生の一大事業になりますので、たくさんの“希望”をお話し下さい。もちろん、全館空調の家づくりをはじめ、私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」以下のお約束を守り、お客様の家づくりに真摯に取り組みます。
5つのお約束
お約束①自分の家を建てるように心を込めて丁寧につくります。
私たち日建ホームは、千葉県我孫子市を拠点とする地域密着の工務店です。世界で唯一無二のオーダーメイドの家。暮らしの夢や希望を丁寧にヒアリングし、プロの建築技術集団として注文住宅にしかできない住み心地を実現します。
お約束②現場をきれいにします。
家は、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねて出来上がっていく究極の手仕事。現場をきれいにすることでムリ・ムダ・ムラを排除しスムースに安全に家づくりができます。近隣に配慮し何よりもお施主様に喜んでいただける現場を目指します。
お約束③一生涯のパートナーとしてずっと家をお守りします。
「家」は住み始めることで「住まい」となり、住み始めてからも理想の暮らしの追求は続きます。住み続けることで変化する事柄に、ハウスドクターとして一生涯、何でも相談していただけるよう、いつも、そしてずっと傍らに居続けます。
お約束④「健康快適設計基準」で健康配慮の家をつくります。
「家」と「健康」には密接な関係があります。毎日を過ごす家のデザインや性能が身体的・精神的に大きく影響します。温熱性能、抗酸化環境(きれいな空気)、健康快適設計基準、自然素材にこだわります。
お約束⑤5つの保証制度で責任をもって保証します。
日建ホームでは、お客様に安心して住まいづくりをすすめていただけるように、5つの保証制度を設けています。建設工事総合保証、無料定期点検10年間 、瑕疵担保責任10年間、地盤保証システム20年間、ぽけっと団信 住宅代金保証制度(オプション)。建築中はもちろん、お引き渡し後も責任をもってお施主様の家をお守りします。
展示場・モデルハウス
木の家 体験型展示場 なごみの家
自然素材の健康快適住宅を実感していただける体験型展示場「なごみの家」。
なごみの家:千葉県我孫子市南新木1-25-24
【OPEN】9:00~18:00
全館空調を採用したホテルライクな次世代の家 LIVING DESIGN nex
上質でゆたかな暮らしを叶える家づくりを体感いただけるモデルハウス。
LIVING DESIGN nex:千葉県我孫子市南新木2-17-20
【OPEN】9:00~18:00
見学予約受付中
じっくり体感していただくために、モデルハウス見学は予約制にて承っております。見学をご希望される方は、お電話または下記フォームからお申し込みください。