冬でも夏でも快適に過ごせる室温と湿度はどのくらい?
新築&リノベーションで取り入れられるポイントを解説

突然ですが、皆さんのご自宅はいつでも快適ですか?部屋の広さや日当たりなど、空間の快適さを左右する要素はいくつかありますが、その中でも重要なのが「室温」と「湿度」。これらが適切でないと、いくらその他が充実していても居心地の良い空間にはなりません。

そこで今回は、一年中快適に過ごすための室温・湿度について、平均数値や目安、快適に保つ具体的な方法について解説します。小さなお子さんやペットが快適に過ごせるためのポイントについても紹介していますので、ご家族皆さんが居心地の良い家にするために、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
・快適な部屋にするためには、温度と湿度のバランスが重要。
・乳幼児や高齢者、ペットのいる家では、特に注意が必要。
・室温と湿度を適正な数値にキープするためには、設備機器やシステムの導入を検討しなくてはいけない。




室内の快適さを左右するのは室温&湿度。平均数値はどのくらい?

一年を通して定期的に雨の降る日本は、世界中でも多湿な国に分類されます。また、春夏秋冬で気温の差が激しいため、室温をうまくコントロールしなくてはなりません。では、快適な部屋に保つためにはどのくらいの室温・湿度にすれば良いのでしょうか?ここでは、平均値も含めて解説します。

快適な室温は?

人によって心地よい温度は異なりますが、環境省では2005年より地球温暖化対策の一環として、室温を冷房時28℃・暖房時20℃と推奨しています。これらの室温は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」と「労働安全衛生法|事務所衛生基準規則」内で規定された室温(17℃〜28℃)が根拠で、省エネ且つ人が快適と感じられる室温と言われています。ただしこれはあくまでも公共施設などの推奨室温であり、一概に快適な室温であるとは言い切れません。

暑がりの方でも寒がりの方でも居心地の良い室温は、平均すると夏の場合が25〜28℃、冬の場合は18〜22℃程度です。ちなみに、セントラルヒーティング(全館空調)が普及している欧米諸国では、通年を通して78℉(約25℃)程度に設定する家庭が一般的です。


快適な湿度は?

快適な空間は室温だけでは実現しません。いくら室内が適温であっても、湿度が高すぎたり低すぎては体感温度に左右するためです。先ほども紹介した「労働安全衛生法|事務所衛生基準規則」内では、健全な労働環境を維持するために湿度40〜70%を維持するよう規定されています。ただし、この数値は決して快適な湿度とは言い切れません。一般的には、湿度が60%を超えると人は「蒸し暑い」と感じ、70%を超えるとダニやカビが繁殖しやすくなります。ですから、部屋の湿度は夏の場合が40~60%、乾燥しやすい冬は50~60%を目安に調節するようにしましょう。

引用:Panasonic|意外と知らない快適な湿度の話





赤ちゃんやペットにとって適切な温度・室温は?

小さいお子さんやペットのいるご家庭では、特に室温と湿度に気を付けなくてはいけません。何故なら、大人のように衣服などで自ら調節することができないためです。では、一体どのくらいの温度・湿度に保ては良いのでしょうか?

東京都福祉保健局の作成した指針によると、乳幼児のいる部屋は室温20〜25°C程度、湿度は50〜60%が目安とされており、冷房を使用する際は外気温との気温差は4〜5℃程度に抑えるように推奨されています。

ペットについては種類や品種によって快適な環境は異なりますが、日本で多く飼われている犬・猫については、夏場は22〜26℃、冬場は20〜25℃程度が過ごしやすい品種がほとんどです。毛に覆われている動物は比較的保湿能力が高いため、乾燥にはあまり気を配る必要はありませんが、乳幼児と同様に50〜60%程度が最適と言われています。

※ペットについては種類によって適温・適度な湿度は異なりますので、飼う際には必ず獣医に相談するようにしましょう。




重要なのは「温度」と「湿度」のバランス。その目安は?

ここまでは快適な室温と湿度の平均値や推奨値についてお話しましたが、居心地の良い空間にするためには温度と湿度のバランスが重要です。そこで目安となるのが「暑さ指数」と「不快指数」です。では、それぞれ詳しく解説していきましょう。

暑さ指数

暑さ指数とは?

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

引用元:環境省

暑さ指数の数値によって、不快に感じるかどうかや熱中症の危険性があるかどうかが見極められます。「空調機器の風が苦手」「光熱費を削減したい」と極力冷房を使わない方もいますが、乳幼児や高齢者がいる場合は熱中症で命を落とすリスクもあるため、室温・湿度の管理は徹底しましょう。

暑さ指数によって、生活活動や身体にどれほど影響を与えるかが分かります。最近では室内でも熱中症を発症するケースが増えているため、十分注意しましょう。

暑さ指数生活活動の目安
31以上危険値(全ての生活活動において危険が生じる)
・速やかに空調を行う必要がある
・乳幼児や高齢者は命に関わる場合も
28〜厳重警戒(全ての生活活動において危険が生じる)
・これ以上の室温上昇は危険なため、換気や空調を速やかに行う
25〜28警戒(活動的な行動に危険が生じる)
・激しい作業や運動をするのには危険
25未満注意(一般的な生活活動には支障はない)
・一般的に熱中症などの危険性はないが、不快に感じる
21未満安全
・ほとんどの人が不快に感じない
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)より


一般家庭では計算しづらいため、室温から厚さ指数を簡単に知りたい方は、「厚生労働省|熱中症を防ごう!」資料内にて紹介されている一覧を参照してください。



不快指数

不快指数(DI)とは、1959年にアメリカで生まれた考え方で、元々は電気会社が空調機器による電気使用量を予測するために考案しました。1961年からは日本でも蒸し暑さを表す指標とされ、数値によって蒸し暑く感じるかどうかだけではなく、冷房を使う目安としても使うことができます。「不快指数」の計算方法は以下の通りです。

不快指数(DI)= 0.81×乾球温度 + 0.01×湿度[%]×(0.99×乾球温度 −14.3)+ 46.3

※乾球温度[℃]:一般的な温度計が示す温度

不快指数の値によって、寒さや蒸し暑さを感じるとされており、一般的には60以下が寒さを感じ、60〜70が心地よく、80以上だと蒸し暑さを強く感じるとされています。

上の計算式によると、不快指数を65〜70に保つためには、湿度40%の場合は室温を21〜24℃、湿度50%の場合は20〜23℃ということになります。こちらを目安に快適な室内環境を整えるようにしてください。



室内を快適に保つ方法は?リノベーションで後付けできる?

平屋 LDK 勾配天井

では、室内を快適な環境に保つためには具体的にどのような設備を備えておくべきなのでしょうか。ここでは、室温・湿度を良い状態に保つためにオススメのシステムや機器を紹介します。

高気密・高断熱住宅

高気密・高断熱住宅は、外気温の影響を受けにくく、空調機器に頼ることなく室温を一定に保つことができます。そのため、健康維持にも効果的で、ヒートショックなどのリスクも激減します。具体的には、十分且つ効果的な断熱材の設置や断熱ドア・断熱サッシの取り付けが条件となり、部分的なリノベーションではなく新築時に施工するのがおすすめです。

〈詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください〉
日建ホーム|コラム|千葉県で高気密・高断熱住宅を建てたい! 知っておきたい性能やメリットは?

24時間換気システム

空調機器で温度・湿度を調整する場合には、十分な換気は欠かせません。2003年には建築基準法で24時間換気設備が義務付けられたため、新築住宅にはもれなく導入されています。また、最近では家の高気密化が進んでいることもあって、既設住宅においてもリノベーションでシステムを導入するお宅も増えています。外気温との差によって生じる結露や、暖房機器の排気による空気汚染を防止するため、家を長持ちさせ健康に暮らすためには欠かせない設備です。

〈詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください〉
日建ホーム|コラム|新築&リフォームに24時間換気システムを!その必要性やメリットを徹底解説

全館空調

全館空調は、部屋ごとに設置する空調機器とは異なり、廊下や階段室なども含めた家全体の室温を均一に維持できます。ですから、健康的且つ快適というだけではなく、エアコンの効率を気にせずに自由なプランニングやデザインが可能です。また、機器に搭載された高機能フィルターによって室内の空気をクリーンに保つことができます。ただし、お部屋が乾燥しやすいため湿度をキープするために適宜加湿器を併用するなどの工夫必要です。家全体に配管を巡らせる必要があるため、極力新築時に導入しましょう。

〈詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください〉
日建ホーム|コラム|全館空調のメリットとデメリットを解説!気になる電気代と費用はどれくらい?

シーリングファン

室内の温度や湿度のムラを無くすためには、空気を循環させることもポイントになります。暖かい空気は付近に溜まりやすく湿気は下に溜まりやすいため、部屋の空気を大きく攪拌できるシーリングファンは効果的です。特に、吹き抜けがある場合など天井高が特に高い場合にはもれなく設置することをおすすめします。電源さえあれば後付けも可能なので、既存の住まいの空気ムラが気になる方は、是非リノベーションの際に設置してみましょう。



まとめ|温度と湿度をコントロールして一年中快適な住まいに

今回は、家で一年中快適に過ごせる温度と湿度についてお話しました。どちらについても高すぎても低すぎても身体への負担が大きいため、常に空調機器などで適切な数値に保つ必要があります。特に乳幼児や高齢者の方がいる場合には、健康的リスクについても気をつけましょう。そのためには、断熱や換気などがポイントとなるため、新築時はもちろんリノベーションの際にも工夫をしなくてはいけません。私たち日建ホームでは建築士やコーディネーターなどの専門家がマイホームのトータルコーディネートをご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。



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日建ホーム編集部

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