千葉でマイホーム検討中の方に知ってほしい「地盤改良工事」
メリットや工法の種類について詳しく解説

皆さんは「地盤改良」という言葉を聞いたことはありますか?2011年に発生した東日本大震災の後、関東圏のいくつかの住宅地では液状化現象によって地盤沈下が起きました。それらを復旧する目的で、地盤改良工事が多く施工され、新聞やテレビでも特集されました。

震災から10年以上経過した現在、あまり自分とは関係ないと思っている人も多いでしょう。しかし、実は千葉県内では現在も液状化のリスクのあるエリアが存在します。

そこで、今回は知っているようで知らない「地盤改良工事」について詳しく解説します。液状化のリスクのある場合はもちろん、その恐れがないエリアでも地盤改良をする事で得られるメリットはあります。

千葉でマイホーム建設を検討中の方や、既にお住いの方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
・千葉県内において、埋立地や沿岸部だけではなく内陸部でも地盤沈下の原因となる「液状化現象」が起こる可能性のあるエリアがあるため、家を建てる際には必ず地盤調査をしなくてはいけません。
・万が一軟弱地盤の上に家を建てる場合でも、適切な改良工事を行えば、地震に強い家になります。





東日本大震災時に千葉県で発生した「液状化現状」

液状化

2011年に発生した東日本大震災では東北地方に大きな被害をもたらしました。関東県内でも停電などのライフラインに影響が出ましたが、実は東京湾周辺を始めとした広範囲において「液状化現象」が発生し、多くの住宅地が沈下しました。その中でも特に被害が大きかったのが、浦安市です。

東京湾を埋め立てて、海沿いに高級住宅街を形成した浦安市を10年前、突如襲った「液状化現象」。道路はきしみ、ひび割れ、地面から噴水のように水が噴き出して至る所から泥水が出た。被害は市域の86%におよび7万5千立方メートルの土砂が噴出。地中のガス、上下水道が破損、地上の電柱が傾くなどライフラインも大きくダメージを受けた。

引用元:千葉日報


このようなニュースを目にすると、「埋立地でなければ安心」と思う人も多いでしょう。しかし、実は千葉県内でも液状化が起こる可能性のあるエリアは決して少なくありません。

引用:千葉県 防災危機管理部防災政策課政策室|千葉県市町村別液状化しやすさマップ、ゆれやすさマップ|巨大地震・震度 6 強の場合


上のマップを見ると、沿岸部だけではなく内陸部においても“液状化しやすい”とされる地域があるのが分かります。一体、なぜでしょうか?


液状化は、埋立地などだけで発生するのではなく、ゆるい砂地盤や、地表から近い場所に地下水が通っているような場所で発生しやすいとされているためです。

引用:国土交通省|液状化発生のメカニズム

平常時、緩い砂地盤の砂質土は、粒子同士が押し合うようにしてバランスを保った状態です。ところが、地震によって連続して振動がかかると、そのバランスが崩れて、粒子の間にあった水分が地表に向かって上昇してきます。最終的には、砂粒子が密実化して沈下するに伴い上部の建築物も沈下し、地表面に溜まった水分が地上に吹き出す現象が見られます。

このような現象が起こった際に、土壌を健全な状態に戻す工事や、液状化を未然に防ぐための工事を「地盤改良」工事と呼び、一般住宅地においてもいくつもの工法が用いられています。


液状化復興や防止に効果的な「地盤改良工事」

2007年に制定された「住宅瑕疵担保履行法」において、新築住宅の建設業者もしくは宅地建物取引業者は、売主に対して10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられました。それによって、新築住宅を建てる前には、まず敷地の地盤調査の実施が必須となり、地盤改良工事の件数は急増しました。

地盤改良工事の一番の目的は、脆弱な地盤でも建物を安全に支えられるように補強をすることです。地盤が弱いと、地震の際に液状化などの地盤沈下が発生し、最悪の場合は建物自体が倒壊してしまいます。

では、地盤改良工事が必要か否かはどのように分かるのでしょうか?一般的には、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)などによる地盤調査データを基に判断します。

一口メモ
スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)とは、地表面から深度10m程度までの軟弱層にスクリューを貫入し、土壌の締り具合や抵抗値を測定する試験です。小規模建築物や戸建て住宅の地盤支持力を測るために用いられます。


家を建てる前に試験によって土壌の状態を把握して適切な地盤改良を施すことで、液状化の発生リスクがあるエリアでもずっと住み続けられる丈夫なマイホーム建設が可能となります。

〈関連コラム〉
新築住宅の瑕疵担保責任についてさらに詳しく知りたい方は、下記コラムも合わせてご覧ください。

日建ホーム|コラム|新築住宅の保証は「10年」?リフォームの場合は?保証制度の種類について徹底解説



地盤改良のメリットは地盤沈下・液状化対策だけではない

外観

ここまで、液状化現象などの地盤沈下対策として「地盤改良工事」を紹介しましたが、実はそれ以外にも施工する利点があります。主なメリットは以下の3点です。

  • 地震発生時に家の振動を軽減させて倒壊リスクを抑えられる。
  • 様々な外的要因で基礎下の地盤が陥没してしまうリスクを抑えられる。
  • 地盤改良済みの土地は、未施工の土地と比べると資産価値が高い。



最近では耐震性の高い住宅は当たり前ですが、いくら家の強度が高くても、地盤が弱ければ意味がありません。地盤改良工事によって強度を持たせることで、土地そのものが地震に強くなります。これは、液状化リスクが高くない場所でも、砂質地盤や軟弱地盤においては、大きな効果をもたらします。

そして、土地そのものに問題がなくても、近くで大規模な道路工事やトンネル工事がある場合など、その影響で土地が大きく陥没する可能性もゼロではありません。そのような際にも、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。

また、脆弱地盤を地盤改良することで、土地の資産価値が上がることも想定できます。ただし、その際には必ず施工会社が作成する「地盤改良工事報告書」を保管しておきましょう。


地盤改良の主な工法は?それぞれどのような場合に行われる?

地盤改良工事

「地盤改良」と言っても、どのようにするのか全くイメージできないという方も多いでしょう。そこで、ここでは主な工法4つを紹介します。

工法① 表層改良工法

一戸建て住宅などの小規模建築物の場合に用いられる方法です。軟弱地盤が地表から深度2m程度の場合、地面から1〜2m程度を掘り起こしてセメント系固化剤を混ぜて固めます。

地盤の強度が高まり、沈下するリスクを軽減できます。比較的小さい重機で作業ができるため、狭小地にも対応でき、比較的費用が安いことがメリットです。ただし、急傾斜地や地下水位が高い場所では施工できず、施工スキルが仕上がりに影響しやすいので施工選びにも注意しなくてはいけません。


工法② 柱状改良工法

こちらも一戸建て現場で一般的に施工されます。弱地盤が地表から深度2~8m程度まで対応でき、敷地の土とセメント系固化材を専用の機械で攪拌して、地盤の中に柱状の構造体を作ります。建物下の地中に、コンクリートの柱を作るイメージです。

敷地広さにもよりますが、短期間で施工できるため低コストで済むことがメリットです。ただし、こちらも施工会社の実績や経験によって仕上がりに差が出やすい点には気をつけましょう。


工法③ 小口径鋼管杭工法

軟弱地盤が深くまで続いている場合に用いる工法で、直径300mm以下の鋼性杭材を地中深くまで垂直に刺して、建物を支えます。小型の重機で作業ができるため、狭小地でも施工可能な点が特徴です。さらに、建物の荷重が大きくても耐えられるだけの強度があるため、中規模の建築物の場合でも対応できます。

ただし、軟弱地盤の下に固い支持地盤があることが条件ですし、コストも他の工法と比べると割高です。ただし、施工スキルによる仕上がりのムラが出にくいというメリットもあります。


工法④ 薬液注入工法(グランドコンパクション工法)

セメントペーストなどの凝固性がある薬液を、軟弱地盤や陥没してできた隙間などに注入する工法です。まず、軟弱地盤の底がどこなのかを調べてから、薬液を底から少しずつ注入し、深い場所から徐々に軟弱地盤を固めます。そうすることで、家の下が強固になり、同時に傾きなども修正できるのです。

この工法の最も大きな特徴は、既存住宅において住みながらでも施工できるという点で、使用する薬液によっては止水性も高められるため、川や海に近いエリアでも有効的です。


中古住宅や既存住宅でも地盤改良はできる?どんな工法がいい?

先ほども紹介した通り、「薬品注入工法(グランドコンパクション工法)」であれば、既存住宅でも住みながら地盤改良ができますし、中古住宅の場合は建物を壊す必要は全くありません。ただし、稀に設計範囲全体にまで薬液が十分行き渡らず、出水事故などが発生するリスクがあります。ですから、必ず、施工実績があり知識や経験が豊富な施工会社に相談しましょう。

もう一つの方法が、「曳家(ひきや)」という工法です。これは元々歴史的建造物の基礎を補強するなどの場合に用いられており、建物をそのまま持ち上げて移動することができます。

現在ではこの手法を応用して、住宅を一時的に持ち上げて、地盤改良や基礎の補強・補修を行います。地盤改良と合わせて、沈下や傾きによって基礎に大きなダメージがある場合に適した工法です。

引用:一般社団法人 日本曳家協会

どちらの方法をとるにしても、既存住宅や中古住宅を解体することなく、状態を維持して地盤改良や沈下修正をすることは可能です。地盤が心配な場合や、より耐久性を高めたい場合には、一度施工店に相談してみましょう。


まとめ|安心な住まいづくりはまず地盤調査・地盤改良から

今回は、家を長持ちさせるためには欠かせない地盤改良工事について解説しました。元々地盤が強固であることに越したことはありませんが、大規模な宅地造成を行った場所などでは、土壌が軟弱である可能性は決して低くありません。ですから、安心して暮らせる住宅を建てる場合には、必ず地盤調査を行い、そのデータに基づいて地盤改良工事を行いましょう。

既にお住いの住宅についても、心配な方は一度調査を依頼することをおすすめします。万が一地盤に問題があったとしても、今の生活を維持しながらでも改良できる工法はあります。

私たち日建ホームは、お客様に安心していただける住まいづくりを徹底しています。土地探しや住宅ローンのご相談から、建設予定地の地盤調査、設計士・インテリアコーディネーターによるデザインのご提案など、各専門スタッフがチームでお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。



千葉県で地盤改良工事にご興味のある方は日建ホームへご相談ください

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お約束①自分の家を建てるように心を込めて丁寧につくります。
私たち日建ホームは、千葉県我孫子市を拠点とする地域密着の工務店です。世界で唯一無二のオーダーメイドの家。暮らしの夢や希望を丁寧にヒアリングし、プロの建築技術集団として注文住宅にしかできない住み心地を実現します。

お約束②現場をきれいにします。
家は、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねて出来上がっていく究極の手仕事。現場をきれいにすることでムリ・ムダ・ムラを排除しスムースに安全に家づくりができます。近隣に配慮し何よりもお施主様に喜んでいただける現場を目指します。

お約束③一生涯のパートナーとしてずっと家をお守りします。
「家」は住み始めることで「住まい」となり、住み始めてからも理想の暮らしの追求は続きます。住み続けることで変化する事柄に、ハウスドクターとして一生涯、何でも相談していただけるよう、いつも、そしてずっと傍らに居続けます。

お約束④「健康快適設計基準」で健康配慮の家をつくります。
「家」と「健康」には密接な関係があります。毎日を過ごす家のデザインや性能が身体的・精神的に大きく影響します。温熱性能(高気密・高断熱・24時間換気)、自然素材、健康配慮の家をつくります。

お約束⑤5つの保証制度で責任をもって保証します。
建設工事総合保証、無料定期点検10年間 、瑕疵担保責任10年間、地盤保証システム20年間、ぽけっと団信 住宅代金保証制度(オプション)で責任をもってお施主様の家をお守りします。



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日建ホーム編集部

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