二つの神宮のお話し(その2)
前回の香取神宮に続いて、今回は鹿島神宮のお話です。
東国の常陸の国を司る鹿島神宮は、ご祭神は「出雲の国譲り」で活躍した武甕槌大神(たけみかづちのかみ)で、雷を司り武の神、戦の神として有名な神様です。日本神話によると、武甕槌大神(たけみかづちのかみ)の力を得て大和の国を平定した初代天皇の「神武天皇」は、この大神に感謝されて東国の鹿島の地に勅祭されました。
鹿島神宮には、宝物に全長2.7mを超える長大な「直刀」があり、「神の剣」として大切に保存されています。
また、鹿島には古来、鹿島神宮の神官たちが習い伝えてきた「鹿島の太刀」と称する流派があり、剣豪として名高い塚原卜伝は鹿島神宮の神官の家に生まれました。このような事から鹿島神宮は中世の昔から武神として仰がれてきました。
正面の大鳥居は、元々は花崗岩から出来た鳥居でしたが、平成23年3月11日の東日本大震災で倒壊したため、現在の大鳥居は境内から切り出された4本の杉で作られ平成26年に再建されたそうです。
朱色に輝く楼門は、日本三大楼門の一つで初代水戸藩主によて奉納され、大修理を経て現在は檜皮葺の屋根に銅板葺の重厚な楼門です。
本殿、石野間、幣殿、拝殿からなる権現造りの社殿は、香取神宮の極彩色の社殿に比べるとややコンパクトで素朴な印象ですが、重厚感のある味わい深い社殿でした。
鹿島神宮の境内は、東京ドーム15個分に及ぶ広さがあり、社殿の奥に続く奥参道と広大な深い森が印象的でした。
当日は、朝からの速足で香取神宮、鹿島神宮、併せて息栖(いきす)神社までの東国三社をお参りし、ご利益を授かり御朱印を頂いて帰りました。
By Hira