無垢材と集成材

先日、都内に新築施工中の身内の中間立合いに同行してきました。都内に立地ということで準耐火構造、3階建ての狭小住宅ですが、木材は多くのハウスメーカーさんと同様に柱梁等の構造材の殆どに集成材を採用していました。

構造用集成材はJAS規格で接着性能、強度性能、含水率等が保証され、欠陥部分を除いて加工されているので品質が均等で狂いや反りも少なく物理特性は優秀なのですが、立ち合いを終えて、集成材を構成するひき板の樹種と集成材の適材適所の採用が重要だなと感じました。

日建ホーム㈱では、柱は殆どが無垢のヒノキ材ですが、広い空間を構成する重要な梁にはベイマツの構造用集成材を使います。 集成材は曲げに対する強さやたわみにくさでは同じ樹種の無垢材に勝っています。しかし、重い建物を支える柱については、断面が非対称の集成材よりも芯持ち材の無垢の柱で樹種は防腐、防蟻の耐久性に優れるヒノキ、杉が適材適所と思われます。

残念ですが、身内が選んだハウスメーカーさんは樹種がスプルースの構造用集成材が標準仕様でした。大手ハウスメーカーの場合、取扱う棟数が多いので供給が安定した木材やコストの他に、建物引渡し後の瑕疵やクレームに対するリスク回避の面から集成材を標準仕様にしているのではと思われます。

柱梁は壁の中に隠れてしまうのだから使う木材の材質は気にならないという方は別ですが、木造の家を建てるのであれば、設備機器や仕上げ材にこだわるのと同様に家の骨格である木材(特に構造材)にも気を配って施工業者を検討することをお薦めします。

最後に、施工中のY様邸の柱に見慣れないラベルを見つけました。林業、製材業の世界でも法令順守と持続可能性が求められているようです。

By Hira