数値よりも、もっとシンプルなこと

本日は建物を省エネ化するということについて自分の考えを話していきます。

改正省エネ法によって、4月から省エネの説明義務化が実施されています。

国で省エネ基準が規定されておりますが、大きくは2つあります。

1つは建物の外壁の断熱性(外皮性能とも言います)の向上と、もう一つが一次エネルギー消費量の削減になります。

工務店側は、お客様にご提供する建物が、この2つの基準において満たしているか、もしそうでない場合はどのようにすれば満たすことができるかをお客様に説明することが義務づけられています。(2021年4月以降より)

もう少し細かく言うと、外皮性能では(地域によって断熱の基準が違いますが一番多い6地域ですと)外皮平均熱貫流率(UA値と呼ばれる値)を0.87以下とすることと冷房期(夏)の窓からの日射取得率を2.8以下とすること、一次エネルギーの削減についても地域や室用途、使用する設備器具の種類によって基準値がかわりますが、その基準値以下の数値(数値が低いほど性能が良い)にすることを目的とします。(※ただし日射取得率に関しては、冬は日射をできるだけ取得したいので、一概に低いほど良いというわけではありません)

弊社の住宅でも快適性を重視していますので、もちろんその両者とも基準値をクリアしておりますが、基準をクリアすることはもはや当然のこととして、お客様が興味を持たれているのは、その先の快適さにあると思っています。

では、いったい快適さというのはなにをしたらよいのか?

住宅は誰もが一生に一度(そうでない方もいらっしゃいますが)の高い買い物、失敗はしたくないし、快適な家に住みたいと考えていると思います。

快適な暮らしには、お客様自身の感じ方や暮らし方、家族構成にも大きく影響されますので、間取りの良さや生活動線、棚の使い勝手や収納の必要十分な確保、部屋の暖かさや住んでからの光熱費の安さ、外観デザインのカッコよさ、外と内の視線やプライバシーの確保など、多方面から考えることが必要になってきます。

いろんなご要望があると思いますが、実は皆様にとって満足していただける共通事項もございます。

それは、冬は暖かく、夏は涼しい家ということです。

もっと言いますと、太陽の光をしっかり活用して、エアコン等の冷暖房機器を最小限に活用し光熱費も抑えたうえで快適に過ごせる家だと考えています。

省エネ性ばかり重視していると外観が整わないことが多いので、そこにデザイン性を加えることができるか、若しくは、デザインの良い家に省エネ性をどれだけ付加できるかが工務店の腕の見せ所だと考えております。

弊社では、デザイン設計と構造設計・省エネ設計がそれぞれ専門の人間が行っているので、両者を高いレベルで融合させることを目指しています。

 

 

ながながと話して、タイトルの件について、触れていませんでした。

UA値やC値は、それぞれ断熱性と気密性を表す指標になります。お客様の中にも、この数値以下にしたいというご要望はとても多いです。多くの場合は、数値が良くなれば快適性にも有利に働くのですが、中にはそうではない場合もあります。例えば、UA値0.3というのは6地域においてはかなり良い断熱性能ですが、冬の無暖房時の朝方で、UA値0.5の家よりも寒いといったことが起こりえます。これはUA値0.3の家が太陽の光をうまく活用できていない場合に起こります。

会社選びに迷われた場合に、シンプルにその会社がどれだけ省エネについて考えられる会社か見分ける言葉があります。

これはラファエル設計事務所の神長さんが言っていたことばを拝借させていただきますと、

「真冬の朝方5時の一番寒いときに、暖房せずに18℃以下にならない家を建ててほしい」と工務店やハウスメーカーに言うことだそうです。(数値ではなく室温度で言うということですね)

(正直この無暖房で18℃というのはとてもハードルは高いので、かなり太陽を意識した設計+付加断熱+熱交換型の一種換気を取り入れなければ難しいですが)この言葉の中には敷地に対して建物配置や間取りが的確か、UA値、気密性に不足がないこと、窓の配置と日射取得量と日射遮蔽のすべてが含まれることになります。仮に18℃は無理でも、このプランなら何度ぐらいになりますと言えるぐらいに誠実に対応できる会社であれば、省エネ住宅の観点からみた良い住宅を建てられると思います。

※ただ実際にもし言う場合は、最初に言ってあげてくださいね。プランが進んでからだと、やり直しや予算変更になる場合も考えられますので、、、

今後は省エネ性を上げるために具体的にはどういったことを検討をしているのかご説明していけたらと考えております。

 

TAKANAKA