住宅の構造について

先月、構造で教わりたいことがあって、構造塾の佐藤先生のところに伺いました。

木造住宅では、耐震等級3が必要と佐藤先生もYOUTUBE等で沢山発信されていますが、私も同じ意見です。

耐震等級3にすると、デザインや間取りの自由度が限られてしまうという方もいらっしゃいますが、基本住宅においての重要度は逆で、構造ありきで間取りを考え、デザインを整えるのが順番的に正しいのではないかと思います。

時々、お施主様がプランを考えて持ってきて頂けることがあります。そのこと自体は大変嬉しいことなのですが、ただ、やはり間取りは良くても、構造的には無理があるというケースが多いです。(上下階の柱の位置や荷重の負担面積を考えて、1階の柱や間仕切りを考えるお施主様はまずいらっしゃいません)

それを設計者が直さなくてはいけないのですが、構造が分からないばかりにそのまま形になってしまったのではないかというケースも見受けられます。

それは一見すると、注文住宅ってどんな間取りも出来て良いように見えますが、裏を返すと、構造はかなり厳しい状態かもしれないということになります。

お施主様が出した間取りがそのまま受け入れられた場合は、そのプランに対して設計者の構造に対する考えを確認してみてください。

細かく言うといろいろあるのですが、大きくは、

⓵許容応力度計算(若しくはスパン表でも良いですが)による必要梁成計算をしたかどうか?
→これをしていなかったらちょっと危険かもと思った方が良いかもしれません。

⓶梁成計算の場合、たわみの設定をどの程度にしているか?
→基準法ギリギリのたわみの設定は、大スパンの場合、かなり厳しい場合があります。基準法では1/250、グレー本では1/300になっていますが、例えば、6m飛ばした梁を1/300で計算すると2cmまでの床のたわみを許容できることになります。部位ごとにたわみの安全をどれだけ見ているかがポイントになりますが、この辺は構造を外注した場合は、設計者が指示しなければ法基準で設計されていると思います。(品確法の耐震等級の計算(壁量計算)を外注で依頼した場合、そもそもたわみまで見ない場合もありますが)

⓷耐力壁の配置と偏心率(バランス)がとれているか?
→壁量計算の場合、4分割法でも良いですが、できれば偏心率も確認したいところです。偏心率は0.3以下がOKラインで、バランスのよい建物は0.15以下が良いとされています。

加えて、地震シミュレーション(wallstat)も行われているとさらに良いかと思います。

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構造塾に行くと、佐藤先生と構造の話ができるのはもちろんのこと、他の会社の設計(構造設計)者が来てたりすると、他社様のプランを見て構造を考えたりできてとても勉強になりますね。(このあいだは偶然、松尾先生のところで会った静岡の工務店の設計者さんと再会して、ちょっとしたご縁を感じました。)

TAKANAKA