<住まいの屋根換気壁通気研究会>住宅外皮マイスター合格者交流会に参加しました。

昨日、「一般社団法人 住まいの屋根換気壁通気研究会」の年次総会及び交流会に参加しました。

タイトルを聞いても、おそらく多くの方がご存じないかと思われますが、住宅の耐久性に関する研究及び住宅外皮に関する正しい知識を持った技術者を育成し、より良い住宅を普及する団体となります。「一般社団法人 住まいの屋根換気壁通気研究会」(こちらがHPとなります)

この少し長いネーミングの通り、大学の先生方や各材料メーカーの方々、ホームインスペクターの方や審査機関の方々など多方面の専門家が集まり、住宅外皮(住宅外皮とは外壁のことです)や屋根の耐久性に関して深く研究されていて、設立から10年が経ったということです。

昨年度より、こちらの団体から「住宅外皮マイスター」という資格制度が設立されました。外皮・建物の耐久性向上についての試験があり合格すると授与されます。(弊社でも第一回目の試験を受け2名保持しています)
コロナ過で延期されていたモックアップを使用した実技研修も今年から実施予定ということです。

そして、2か月に1回行われる研究発表は非常に為になります。

昨日の記念講演では、東海大学名誉教授の石川廣三先生の「米国およびカナダにおける住宅小屋裏換気基準の歴史から学ぶこと」というタイトルでしたが、参加した動機の9割はこの講演を聞きたかったからです。

講演の内容は詳しく書けませんが、カナダや米国と日本の換気基準の差を知ることで、現状の日本の仕様基準には大いに見直すべき部分があり、仕様規定さえ守っていれば良い家ができるわけでは決してないのだと改めて気づかされました。

国で定められた基準(ここでは外皮の仕様基準)というのは、ある意味全体として一定の品質水準を確保するために必要なものでありますが、どの住宅にも当てはまるかというとそうではないということですね。

それは外皮構成、屋根構成、建物形状や納まりの組み合わせが多数存在するため、当然と言えば当然のことなのですが、その家に合った最良のやり方を検討するということが非常に大事になってきます。

それと同時に、一方が良くなった分、他方が悪くなるということが無いように、耐震性、断熱性、耐久性、快適性、意匠性、コストとのバランスが取れている必要があり、これが難しいところでもありますが、各社の腕の見せ所でもあるということではないでしょうか。

これらを良いバランスで保ち良い家を建てていくには、常に知識を習得し、結果から学び改善することを繰り返し積み上げていく努力が必要なのだと思います。

地球温暖化問題によるCO2削減への取組みから、世界的にも木造建築物が見直されてきている中、今後、木造の耐久性への重要性はますます高まってくる思われます。

自社の住宅だけではなく、地域にそして日本により良い住宅を普及するというより大きなビジョンを共有させて頂けた一日となりました。

TAKANAKA