途中下車の旅

今回の旅の目的は、北九州市に単身赴任した長男に通勤に必要な軽自動車を搬送して引渡すことでした。夫婦二人が交代の運転でしたが、総距離数は約11,000㎞、実走行時間15時間というハードな旅だったので、途中の岡山県で一泊するプランにしました。

都心の混雑を避けた出発は日曜日の午前3時、霞が関で首都高に入り東名御殿場PAで夜明けを迎え、新東名、名神、山陽の高速を乗り継いで、夕暮れ前にようやく宿泊予定の岡山県児島市の鷲羽山に到着しました。ここは、本州と四国の香川県坂出市を繋ぐ「瀬戸大橋」の中国側の起点で、鷲羽山展望台からの夜景は日本の夕陽100景に選ばれています。

海上に道路と鉄道の2層構造の長大橋は、橋脚の足元から見上げる鉄骨トラス造の吊り橋が巨大でそのスケールに圧倒されました。

夕暮れ後にホテル入館の前に向かった鷲羽山展望台からの夜景は、ガイド等で案内されている通りの絶景で、晩秋の寒風の中、眼下の夜景に暫くの間見入っていました。

翌日の午前には同山展望台のビジターセンターを訪れて昭和63年に開通した「瀬戸大橋」の歴史等を勉強、さらに先に行った鷲羽山頂上からは瀬戸内海の遠方まで見渡せることができ、6つの異なる構造の橋で繋がった瀬戸大橋の全景を一望して感動、途中下車の旅を堪能しました。

児島市から終点の北九州市までは広島県、山口県を通過して約350㎞の道程。本州と九州を結ぶ「関門橋」を渡った直後に門司で高速を降りてから見知らぬ街中の日没後の一般道を走行したのですが、昭和38年に5市が合併した北九州市は思った以上の大都会だったので驚きました。途中、若松区と戸畑区を結ぶ「若戸大橋」を渡って道に迷いながらも待ち合わせの場所に到着、ようやく長男に再会して軽自動車を引渡し旅の目的を無事に達成できました。

長男宅で1泊した後の帰路はもちろん博多からの飛行機、2泊3日の慌ただしい旅でしたが密度の濃い充実した旅でした。

最後に、参考までに「瀬戸大橋」は開通から35年、「関門橋」は50年、我が国最初の本格的長大吊橋の「若戸大橋」は74年が経過しています。今回の旅では日本の土木技術の推移にも触れることが出来ました。

By Hira

深夜の首都高速道路

瀬戸大橋の橋脚

鉄骨トラスの吊り橋

瀬戸大橋の夜景

鷲羽山からの瀬戸大橋全景

(参考)関門橋

(参考)若戸大橋

注)関門橋 若戸大橋 の写真は「北九州市観光情報サイト」からの転載です。