ケミレスタウン

柏の葉の千葉大学敷地内にあるケミレスタウンを見学してきました。
ケミレスタウンは化学物質を極力低減した住宅で、アレルギーやシックハウスに関する調査研究をしている実験棟です。
建設した住宅には、アレルギーやシックハウス症候群に悩む患者さんが一定期間滞在し、化学物質の少ない住環境による症状への効果測定をおこなっています。

設計は丸谷博男さんという方で、2008年にはグッドデザイン賞を受賞しており、各所の納まりや仕上げなどシンプルで見所の多いデザインとなっています。
仕上げ材はほとんどが自然素材で出来ており、当社でもお世話になっている高千穂さんのシラスや、米ぬかでメンテナンスしているという薩摩鉄杉、畳は無農薬畳床などが採用され、ほとんどが国産の材料で仕上げられています。
またベランダの手摺や破風板など外で使用している木材も国産のヒバ材で、ベンガラという赤錆の塗料で防腐処理をしてありました。
築後約2年半が経過しておりメンテナンスはほとんどしていないということでしたが、ほとんど劣化が見られない状態でした。
ヒバは当社でも建物の土台で使用している材料ですが、改めて防腐効果の高さを実感できました。

またとても印象に残った部分としては天井の高さです。
この建物では天井高が全て2m~2m10cm程度に抑えられているのですが、圧迫感は全く感じず落ち着いた座の空間となっています。
そのため外観も最近のよくある建物よりも80cm程度低いため、どっしりとしていて切妻の深い軒の出がとても落ち着いていい雰囲気でした。
こちらの実験棟は定期的にイベントなどをしているようですので、興味のある方は一度見学してみてはいかがでしょうか。
aoyagi