新築&リフォームに24時間換気システムを!その必要性やメリットを徹底解説

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あなたは「24時間換気」というキーワードを耳にしたことはありますか?現在は建築基準法改正によって、建築物において24時間換気システムの導入が義務化されています。では、なぜ法律で義務化してまで取り付ける必要があるのでしょうか?今回は、24時間換気システムについて必要性や仕組み、みなさんが感じる疑問について解説していきます。既存住宅にリノベーションで取り付けることも可能ですので、ぜひ参考にしてください。

 

 

24時間換気システムとは?

キッチン

元々、台所やトイレ、浴室などには換気扇が設けられており、居室においても換気口が設けられていましたが、それらと「24時間換気システム」には大きな違いがあります。それは、「機械換気」を利用するということです!ここでは、換気方法の仕組みや種類について解説します。

 

換気方法や仕組み・種類が重要

建築物における換気方法は主に4種類あり、給気と排気の方法によって区別できます。

 

第一種換気第二種換気第三種換気第四種換気
給気ファン(機械)ファン(機械)自然換気自然換気
排気ファン(機械)自然換気ファン(機械)自然換気
特徴最も換気能力が高いが、全室にダクトや熱交換器を配置する必要がありコストがかかる。室内で汚染された空気が発生する恐れがある場合に設置する。住宅では一般的で、コストがかからず効率よく換気できる。ただし、気密性によって換気能力にばらつきが出てしまう。システムメンテナンスが不要でコストはかからないが、換気効率は悪い。
換気能力
使用される建築物公共施設やビル

住宅など

病院や工場

住宅など

住宅など住宅など

 

この4種類の換気方法のうち、「24時間換気システム」では第一種から第三種換気を用いています。その中でも住宅においては最も効率的な第一種換気を採用しているケースが増えています。最近ではパッケージ化されている商品も多く、部屋数や間取りに合わせてメーカーでプランニングもしてくれます。

 

主な換気システムの商品

様々な電気機器メーカーが24時間換気システムの商品を販売していますが、主な構成は以下の通りです。

一般居室

パターン①自然給排気口 (自然換気)+ パイプフード

パターン②給排気ファン(機械換気)+ パイプフード

トイレ

排気ファン(機械換気)+ パイプフード

浴室

浴室用給排気換気扇(機械換気)+ パイプフード

キッチン

レンジフード(機械換気)+ パイプフード

 

これらそれぞれの機器を、部屋の大きさなどによって換気量計算した上でプランニングするのです。さらに、換気扇によってはセンサー付きや天井埋め込み型のタイプもあるため、換気量だけではなく生活スタイルに合わせてカスタマイズができます。私たち建設会社(設計士)は、お客様のニーズを踏まえて、メーカーの打ち合わせをしてより効率の良い換気システムを配置するのです。

※パイプフードとは、換気口を外部からカバーして雨などの侵入を防ぐパーツのことです。

〈関連ページ〉

Panasonic|24時間換気システム戸建住宅用

三菱電機|24時間換気プランのご提案

高須産業株式会社|総合カタログ『24時間換気システム』

 

 

24時間換気は必要?不要?リフォームの場合は?

掘りごたつ

24時間換気システムの仕組みについては分かりましたか?では、そもそも24時間換気は本当に必要なのでしょうか?インターネット上などでは「必要」という意見だけではなく「不要」という意見も少なくありません。そこで、24時間換気の必要性についてお話しします。

 

建築基準法で義務付けられている!

必要or不要論を検証する大前提に建築基準法で設置が定められているというポイントがあります。2003年7月にシックハウス症候群対策として、内装材の制限と合わせて換気設備設置が義務付けられたのです。条文の中では、換気設備の設置だけではなく最低換気量も定められています。

ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合 でも、家具からの発散があるため、原則として全て の建築物に機械換気設備の設置が義務付けられ ます。例えば住宅の場合、換気回数0.5回/h以上 の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど) の設置が必要となります。

※換気回数0.5回/hとは、1時間当たりに部屋の空気の半分  が入れ替わることをいいます。

引用元:国土交通省|シックハウス対策のための規制導入・改正建築基準法

つまり、建築基準法で定められている以上「必要か不要か」という検証は意味がなく、付けなくてはいけないということなのです。ただし、「義務付けられているからしょうがない」というよりも、設置するメリットが多いため、近年では当たり前のように組み込まれています。

 

24時間換気が不要という人の理由は?

24時間換気が不要という方は、電気代を気にしたり空調効率が下がるのを懸念している場合が多いです。また、「稼働音が気になる」「スースーしそう」という方も少なくありません。しかし、最近の住宅は気密性が高い上に換気ファンの性能も高くなっているため、このような心配はほぼ無用です。むしろ、設置した時のメリットの方が大きいため、私たち建設会社は間違いなく24時間換気システムの設置をおすすめします。

 

リフォームでも24時間換気は必ず設置すべき?

リフォームにおいても建築基準法は適応されるため、法を遵守するという意味では設置しなくてはいけません。ただし、小規模なリフォームの場合は完了検査が入らないため、24時間換気システムを設置しない方もいらっしゃいます。しかし、設置したことのメリットは大きく、さらに後から建築基準法に適合しない「既存不適格建築物」とみなされて、増築などの大規模改修や売却時に不利になる場合もあります。24時間換気システムの設置は、他のリフォーム工事と合わせればそれほど大きな費用にはならないため、積極的に取り入れることをおすすめします。

 

 

24時間換気システムにはメリットがたくさん!

洗面脱衣室

では、24時間換気のメリットとはどのような点でしょうか。主なメリットは以下の3点です。

 ・シックハウス症候群の防止(特に高気密住宅では効力発揮)

 ・結露防止

 ・家を長持ちさせる

それぞれ詳しく解説します。

 

シックハウス症候群の防止

まず、建築基準法改正の目的でもある「シックハウス症候群対策」が一番のメリットです。

シックハウス症候群(Sick House Syndrome)とは直訳すると「病気の家、症候群」ということになり、“居住者の健康を維持するという観点から問題のある住宅においてみられる健康障害の総称”を意味します。
シックハウス症候群の代表的な原因は、建材や家具などに含まれる化学物質が発散する有害なガスです。代表的なものとして、合板の接着剤や塗料、防腐剤に使われるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどがあります。その多くは揮発性物質で、気温が高くなるにつれ発散量が急速に増加するため、この季節には室内の化学物質濃度が高くなります。
また、湿度も高くなる季節なので、カビやダニなどによるシックハウス症候群も多くなります。

引用元:OMRON|シックハウス症候群の予防は生活環境の改善から

1970年代に入ってから新築の建築物において、めまいや倦怠感、皮膚や目などへの刺激症状を感じるという報告が増えて社会問題化しました。今ではF☆☆☆☆(Fフォースター、ホルムアルデヒド放散等級の最上位規格)の建材が当たり前ですが、化学物質過敏症の方はそれでも症状が出てしまいます。そのため、常に居室を換気し続けて空気中の化学物質濃度を下げる必要があるのです。

 

結露防止

近年の住宅はどんどん気密性が高まっており人が生活していると室内の湿度は上がってきてしまいます。そのため、夏や冬に空調機器をつけることで外気温との差が大きくなると必然的に結露が発生してしまいます。しかし、24時間換気で室内の空気を継続的に入れ替えることで、調湿されて結露を軽減できるのです。結露が軽減されるとカビも発生しにくくなるため、健康的かつ快適な暮らしが確保できます。

 

家を長持ちさせる

実は24時間換気は室内の結露だけではなく、壁内の結露も防ぎます。壁内の木材などが結露で腐食すると、構造体自体の耐久性が下がるだけではなくシロアリ発生の直接的な原因となります。そのため、室内の状況関係なしに24時間換気システムは常時稼働させておかなくてはいけません。また、フィルターの掃除を怠って換気能力が低下しても、壁内結露につながります。

 

 

24時間換気システムの気になる電気代は?長期不在時は消すの?

24時間換気システムに積極的でない方のお話しをうかがうと、「電気代が心配」「エコじゃないのでは?」という意見を耳にします。確かに、24時間稼働し続けていると無駄な電気を使うように感じてしまうでしょう。しかし、年々機器性能が向上しており、それに伴って使用電気量も少なく抑えられています。

24時間常時換気ランニングコストの目安

50Hz60Hz
電気代/月646円781円

※新電力料金目安単価 27円/kWh(税込)として計算

引用元:Panasonic|24時間換気システム 戸建住宅用

もちろん、機器メーカーや換気プラン、部屋数、季節によって電気代は変動しますが、高く見積もっても月1000円はかからず、稼働できます。そのため、メリットと天秤にかけても決してコストは高くはなく、環境にもほとんど影響を与えないと言ってよいでしょう。では、長期で家を開ける時には電源を消した方が良いのでしょうか?先ほどもお話しした通り、壁内結露を防ぐためにも、長期で家を開ける場合でも電源は入れたままにしましょう。

 

 

24時間換気システムは寒い?うるさい?対策方法や掃除方法を紹介

24時間換気について調べると「寒い」「うるさい」などのネガティブな情報を目にするでしょう。しかし、これらはメンテナンス不足や故障が主な原因で、正常に稼働していればそれほど気になりません。そこで、それらの対策方法について紹介します。

 

設定を見直す

機器によっては「弱・強」と換気量を設定できるものもあります。寒さや騒音が気になった場合には、まず設定を確認してみましょう。場合によっては初期設定のままになっていて、過度に換気量が多くなっていることもあります。ただし、設定を無闇に下げてしまうと換気不足になる恐れもあるため、新築住宅の場合は建設業者に引き渡し時に部屋の大きさにあった設定にしておいてもらうのがおすすめです。

 

フィルターはこまめに掃除する

各メーカー機器の取扱説明書を見てみると、どれも排気フィルターは月に一度清掃するように明記してあります。また、機械換気機器については内部にあるファンの羽根や本体の給気口も、分解をして3ヶ月から半年に一度清掃することが推奨されています。さらに、高性能の給排気ファンに内蔵されている超微粒子フィルターにおいては2〜3ヶ月程度で取り替えなくてはいけません。これらのお手入れをしないと、換気能力が落ち、さらに放置するとカタカタと音を出す可能性もあります。そのため、十分な性能を発揮するためにも、定期清掃は重要なのです。

 

機器の耐用年数を確認する

設定を見直して定期清掃をしていても問題が解決されない場合は、残念ながら故障しているか耐用年数を超えている可能性が高いです。換気機器の耐用年数は10〜15年が一般的であるため、その期間を超えている場合には取り替えを検討しましょう。ただし、自然換気の部材についてはモーターなどのパーツがないため、破損していなければ取り替えの必要はありません。

 

 

まとめ|24時間換気システムは健やかな生活には必要!

今回は24時間換気システムについて詳しく解説してきました。住宅を建てる時には間取りや内装材、機器の性能に注目してしまいがちですが、換気は健やかで快適な生活を送るための大切な要素です。また、マイホームを長持ちさせるためにも欠かせないシステムです。私たち日建ホームでは、設計士・デザイナーだけではなく機器メーカーとも綿密に打ち合わせを重ねて、それぞれの住まいに合った換気システムをご提案しております。新築を検討中の方も、リノベーションをご希望の方も、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

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