知っているようで知らない「造作家具」とは?メリットや魅力から設計プロセスまでを解説

造作棚

突然ですが、インテリア雑誌や住宅情報誌で、「造作家具」という言葉を見かけたことはありませんか?

なんとなくオーダー家具のようなイメージを思い浮かべる方が大半でしょう。

しかし、その本質までしっかりと理解している方は少ないはずです。

そこで、今回は造作家具のメリット・デメリットや設計の手順などについて詳しく解説します。

今お住まいの家をもっとおしゃれ&便利にリノベーションしたい方や、これから素敵なマイホームを建てたいという方は、ぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント
●造作家具は、ライフスタイルをイメージしてから、十分検討して取り入れましょう。
●つくる前に知っておくべき注意点もあるため、設計段階からしっかりと打ち合わせを繰り返してください。
●日建ホームでは、お客さまのご要望にしっかり耳を傾け、理想の住まいづくりをお手伝いさせていただきます。




造作家具とは?メリットは何?

造作家具とは、その空間に合わせて設計・製作した家具のことです。

オーダーメイド家具の一種ではありますが、一般的に、造作家具は天井や床・壁に固定する造り付け家具を指します。

新築はもちろん、既存住宅のリノベーションをする際に、既製家具ではどうしてもフィットしない場合に用いられます。

空間を機能的且つスタイリッシュにまとめるためには欠かせません。

では、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット① 空間を無駄なく活用できる

ご自宅の家具レイアウトを考えている時に、どうしてもあちこちに小さな隙間が生まれてしまったという経験はありませんか?

既製家具は、材料ロスをできるだけ少なくし生産性を高めるために、基本的には10cm・15cm・30cm・45cmなどの寸法がモデュール(基本寸法)になっています。

それに当てはまらなければ、どうしても脇にデッドスペースができてしまうのです。

小さなロスでも積み重なれば広いスペースとなるため、空間を全て有効活用するにはできるだけ寸法がぴったりの家具を選ばなくてはいけません。

そんな時こそ活躍するのが「造作家具」。

空間に合わせて寸法を決められるため、無駄なスペースがなく、また収納するものに合わせた収納計画も可能です。

メリット② 使いやすくカスタマイズできる

作業カウンターやベンチなど、人が何かをするために設ける家具については、使い手の身体寸法に合わせた設計が可能です。

よくある例が、背が高く既製の机では常に腰や首に負担がかかってしまうケースや、逆に小柄で棚の上部はものが取りづらいなどのケース。

このような場合も、打ち合わせを重ねながら使いやすい家具に計画できます。

最近では、高さなどだけではなく設備機器もイチから選ぶ完全カスタマイズの造作キッチンも人気です。

メリット③ インテリア全体のデザインを統一しやすい

かつては、ミッドセンチュリーデザインのように奇抜な家具や、幾つもの色を取り入れたインパクトのあるインテリアデザインも人気でしたが、最近はシンプル志向やナチュラル志向の方が増えていることもあり、できるだけデザインの要素を少なくしたモダンな内装が注目されています。

造作家具なら、フローリングや板張り壁、ドアなど、視界に入る木製のものと色合いを合わせられるため、全体的にスッキリとまとめたい方におすすめです。

メリット④ 素材やデザインにとことんこだわれる

造作家具には無垢材や化粧板などが用いられますが、その素材や色柄、樹種にまでこだわれるのも魅力のうちの一つです。

最近は国産材利用が進んでいることもあり、ゆかりのある土地で育った木材を使う方も増えています。

また、日本では生息しない珍しい木目を取り入れれば、高級感があって個性的な家具になります。

「世界で一つのオリジナル家具」にこだわりたい方は、ぜひ造作家具を検討してみてください。

メリット⑤ 耐震性を高められる

東京消防庁の調べによると、近年発生した大地震において、怪我につながる原因の半数近くが「家具の転倒・落下・移動」によるものということが分かっています。

引用:東京消防庁|家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック― 室 内 の 地 震 対 策 ―


実際に、地震発生時に家具が転倒・落下・移動してしまうと、周囲の人や物に直接的な被害をもたらすだけではなく、避難経路を塞いでしまったり、火気器具の近くであれば火災の原因にもなってしまいます。

床や天井、壁に固定する造作家具にすれば、これらの問題は激減するため、地震大国である日本にとってはとても大きなメリットです。

ただし、家具を取り付ける壁面等の下地補強や、耐震対策ができる取り付け金具を使うことは欠かせません。

DIYで簡単にビスで固定しただけでは耐震性能は得られないので、必ず専門家に相談しましょう。

メリット⑥ 部屋の掃除がしやすくなる

こだわりの家具を選んでも、いざ住み始めてから掃除が大変だとストレスになってしまうでしょう。

造作家具は固定されており移動しない上に、余計な隙間がないため、掃除の手間を減らせます。

また、家具が壁際にまとまるため、掃除動線の邪魔にもなりません。

最近一般的になっている“掃除ロボット”でも、隈なく掃除できるため、忙しい人にもおすすめです。




つくるときの注意点は?

造作家具はメリットが多い反面、採用する前に知っておくべき注意点がいくつかあります。

家具を検討する際は、これから紹介するポイントを踏まえてプランニングしましょう。

その① 施工までに時間がかかる

現場に合わせて設計・製作する造作家具は、当然のことながら出来上がるまで時間がかかります。

なぜなら、細かな要望を取り入れたデザインにするためには、綿密な打ち合わせは不可欠ですし、ある程度周りの壁や床の下地が出来上がらなければ製作できないからです。

また、特殊な材料を選べば納期がかかりますし、一から職人が手作業でつくるため、工場生産の家具と比べても時間がかかるのは致し方ありません。

ですから、「引っ越しまでに時間がない」という方が造作家具を検討する場合は、設計期間や製作期間を踏まえて余裕あるスケジュールにしておきましょう。

その② コストが高くなりがち

造作家具は先ほどもお話しした通り、一つ一つ職人が手作業で製作します。

そのため、作業費がかさみ全体コストも高くなりがちです。

また、現場に合わせたサイズにすることで、材料のロスが発生してしまうこともあります。

ですから、予算に限りがある場合は、要所要所に造作家具を取り入れて、既製家具とうまく組み合わせてみましょう。

リビングなど人目に付きやすい部分だけ造作家具に、クローゼットなど家族しか出入りしない場所や子供部屋など将来的に用途が変わる可能性のある場所は既製の家具にしてもいいかもしれません。

〈関連コラム〉
日建ホーム|コラム|造作家具を頼むと費用はどれくらい?おしゃれな施工事例集



その③ 移動や修理がしにくい

造り付け家具は壁・天井・床に固定するため、安易に移動しにくいです。

どうしても移動する場合は、取り付け部分にビス穴が残ったり、壁紙やフローリングをつぎはぎで貼り足さなくてはいけなくなることを覚悟しましょう。

また、家具の部分的な解体撤去も難しく、壁面収納や大きな作業カウンターなどを検討する際は、その点にも留意してください。

ただし、大切に使えばリーズナブルな既製家具よりもずっと長持ちしますし、無垢材を使えば傷や汚れがついても補修できます。

「長く大切に使い続けたい」そんな思いがある方は、既製家具よりも造作家具がおすすめです。

その④ フレキシブルな設計にしないと使わなくなる

部屋をスッキリさせたいあまり、「ここにはこれを入れる」「この棚は○○専用」とがんじがらめにして造作家具を計画してしまう方がいます。

確かに、こうすることで物を出しっぱなしにすることが減るので、かなり部屋がスッキリします。

しかし一方で、生活スタイルが変わったり家族構成が変わると、うまく暮らしにフィットしなくなる可能性は否めません。

ですから、長く使い続けたい場合にはある程度臨機応変に使い方を変えられる「おおらかな」プランにしておくこともおすすめです。

また、子供部屋のように将来別の用途で使うことになるかもしれない部屋の場合は、造作家具を作り込まないように意識することもポイントです。

棚を設置する場合には、置く物によって高さが変えられる「可動式」にしても良いでしょう。

造作家具を検討する際は、その場所でどのような生活を営むかをしっかりとイメージして、プランニングに活かしてください。




造作家具をつくるまでの手順は?

新築や既存住宅のリノベーションで造作家具をつくる場合と、既製家具を買ってきて置くのとではだいぶ勝手が違います。

私たち“日建ホーム”では、お客様の気持ちやご要望に寄り添った造作家具を数多く手掛けてきました。

ここでは当社が造作家具をつくるまでの手順を紹介します。

〈使い手の要望を十分ヒアリングする〉

当社には一級建築士・二級建築士だけではなく、インテリアコーディネーターや福祉住環境コーディネーター、キッチンスペシャリストなど様々な分野に特化したスタッフが在籍しております。
プロの視点で皆様のご要望をうかがい、便利でおしゃれな家具をご提案いたします。

〈要望に合わせてラフプランと見積書を作成する〉
〈打ち合わせを繰り返してより理想に近づける〉

当社では、見積書や設計図と合わせて、一般の方でもご理解いただけるようにパースも提出させていただいております。
打ち合わせをしながらその場でラフスケッチを描くことも可能ですので、目の前で頭の中のイメージを視覚化し、プランに反映させたい方は、ぜひご相談ください。

手書きパース
ご提案パース

〈熟練した職人技で既製品にも負けない家具に〉

造作家具の製作には、細かな納まりを意識した緻密な作業が伴います。
さらに美的センスも必要になるため、どんな職人でもできる訳ではありません。
日建ホームでは、数々の現場で造作家具を手掛けてきた“プロ集団”が施工いたします。




まとめ|造作家具でより生活にフィットした住まいに

造作家具は片付けや掃除の手間が軽減できるだけではなく、マイホームでおしゃれで快適な暮らしをしたい方にとってもメリットの多いツールです。

ただし、取り入れる前に知っておかなくてはいけない注意点もあります。

建設スケジュールや予算には余裕を持って、じっくり使い勝手やデザインを検討してから決断しましょう。

私たち日建ホームは、お客様に安心していただける住まいづくりを徹底しています。

土地探しや住宅ローンのご相談から、建築予定地の地盤調査、設計士・インテリアコーディネーターによるデザインのご提案など、各専門スタッフがチームでお手伝いさせていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください。



千葉県で造作家具のある家の建築・リノベーションをご検討中の方は日建ホームへご相談ください

おそらく一生に一度か二度になるであろう大切な家づくり。人生の一大イベントですので、たくさんの“希望”をお話し下さい。私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」お客様の家づくりに真摯に取り組みます。

お約束①自分の家を建てるように心を込めて丁寧につくります。
私たち日建ホームは、千葉県我孫子市を拠点とする地域密着の工務店です。世界で唯一無二のオーダーメイドの家。暮らしの夢や希望を丁寧にヒアリングし、プロの建築技術集団として注文住宅にしかできない住み心地を実現します。

お約束②現場をきれいにします。
家は、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねて出来上がっていく究極の手仕事。現場をきれいにすることでムリ・ムダ・ムラを排除しスムースに安全に家づくりができます。近隣に配慮し何よりもお施主様に喜んでいただける現場を目指します。

お約束③一生涯のパートナーとしてずっと家をお守りします。
「家」は住み始めることで「住まい」となり、住み始めてからも理想の暮らしの追求は続きます。住み続けることで変化する事柄に、ハウスドクターとして一生涯、何でも相談していただけるよう、いつも、そしてずっと傍らに居続けます。

お約束④「健康快適設計基準」で健康配慮の家をつくります。
「家」と「健康」には密接な関係があります。毎日を過ごす家のデザインや性能が身体的・精神的に大きく影響します。温熱性能(高気密・高断熱・24時間換気)、自然素材、健康配慮の家をつくります。

お約束⑤5つの保証制度で責任をもって保証します。
建設工事総合保証、無料定期点検10年間 、瑕疵担保責任10年間、地盤保証システム20年間、ぽけっと団信 住宅代金保証制度(オプション)で責任をもってお施主様の家をお守りします。



モデルハウスや展示場で家づくりを体感しましょう

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: b4e48bbde01bf1767ac571bc50bb79b8.jpg

見学予約受付中

じっくり体感していただくために、モデルハウス見学は予約制にて承っております。見学をご希望される方は、お電話または下記ページのご予約フォームからお申し込みください。

TEL:04-7188-5222
日建ホーム株式会社

▶︎ 展示場見学のお申し込みはこちらから

著者情報

日建ホーム編集部

日建ホーム編集部

私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」という気持ちで親身になって寄り添いながらお客様の家づくりに真摯に取り組んでまいります。
一級建築士・一級施工管理技士・耐震診断士・宅建士・福祉住環境コーディネーターのいる建築プロ集団です。

詳しいプロフィールはこちら
FacebookTwitterInstagramYouTubepinterest