薪ストーブのある家でゆったりとした暮らしを。
注意点・施工事例から話題の「バイオエタノール暖炉」についても
ゆったりと時間が過ごせる“別荘のような”家に憧れたことのある人も多いでしょう。
そんな別荘風の家で人気のアイテムの中でも、最近人気が高まっているのが暖炉や薪ストーブ。関東圏でも設置する家が増えており、ゆらゆらと揺れる火を眺めながら過ごす時間が格別です。
しかし、自宅に設置するためには知っておかなくてはいけないポイントがたくさんあります。
そこで、今回は暖炉や薪ストーブを導入する際の注意点について詳しく解説します。私たち日建ホームが今まで手がけた施工事例も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
●より手軽に暖炉を取り入れたい方には「バイオエタノール暖炉」もおすすめです。
●日建ホームでは、土地探しから住宅の設計施工、アフターメンテナンスまでトータルでサポートします。
寒冷地だけではなく関東でも暖炉・薪ストーブのある家が増えてます
暖炉や薪ストーブと聞くと、寒冷地の家を想像するかもしれませんが、近年は都心部や関東エリアの住宅地でもこれらを導入するケースが増えています。
その一番の理由は、別荘風住宅やリゾート風住宅がトレンドだからです。
また、自然エネルギーへの注目が高まっていることも一因と考えられます。
「薪を燃やすと二酸化炭素をたくさん排出してしまうのでは?」と考える人もいますが、その量は樹木が成長する過程で吸収する二酸化炭素の量と同量もしくはそれ以下とされており、むしろ間伐材などを有効活用できるため、森林循環にもとても意味があるとされています。
また、薪を燃したときに発せられる香りは癒し効果があることも分かっていますし、炎の「1/f ゆらぎ」は、規則性・突発性・予測性・逸脱性のバランスが整ったリズムであるため、人の心を落ち着かせることも立証されています。(「長野県教育情報ネットワーク・1/f ゆらぎと生物に関する数理的研究」参照)
これらの特徴からも、まさにストレス社会に生きる私たち現代人にぴったりの設備と言えるでしょう。
設置する際の注意点は?
暖炉や薪ストーブは、エアコンや床暖房のようにスイッチひとつで電源の入り切りはできませんし、すぐに部屋が温まる訳でもありません。また、慣れない人ではその扱いやメンテナンスも決して楽ではないでしょう。
導入する前に知っておくべき主な注意点は以下の6つです。
- 初期費用やメンテナンス費用、燃料費がかかる
- 部屋が暖まるまで時間がかかる
- 近隣トラブルになる可能性がある
- お子さんやペットが近づけないような対策が必要
- 設置する部屋の換気できるようにしておかなくてはいけない
- 薪置き場確保しなくてはいけない
では、それぞれ詳しく解説します。
その① 初期費用やメンテナンス費用・燃料費がかかる
まず、多くの人が気になるのがコストでしょう。まず、初期費用は選ぶ薪ストーブなどのグレードによって大きく変わりますが、設置場所の床や壁を耐火仕様にしなくてはいけないため、基本的には通常の内装工事よりも多少施工費や材料費がかさんでしまうと認識しておきましょう。また、煙突造作工事も必要です。
さらに、設置後も定期的な煙突掃除をしないと室内がススだらけになってしまいますし、冬場はまとまった量の薪を準備しなくてはいけません。
「庭の樹木の枝を使うから薪はあまり必要ないのでは」というのは大きな間違いで、生木を薪として使えるようにするには長期間しっかり乾燥させなくてはいけませんし、約1時間火を絶やさないためには、太い薪が2〜3本程度(約2.4kg)必要となります。
薪を専門業社から購入する場合、特に薪ストーブのある家が少ないエリアでは遠方の専門業者から購入せざるを得ないため、家に設置する前に薪の入手ルートや価格についてもリサーチしておきましょう。
その② 部屋が暖まるまで時間がかかる
暖炉や薪ストーブのデメリットとして多く挙げられるのが、部屋が暖まるまでの時間です。
例えば、冬の朝に起きてすぐ薪を燃やし始めたとしても、部屋全体が暖まるまでは2〜3時間程度かかるでしょう。特に広いリビングや吹き抜けのある部屋の場合は、暖気が広がりやすいため、なかなか暖まらないと実感してしまうはずです。
そのため、メイン暖房器具として使うことはあまり現実的でなく、省エネタイプの床暖房などと併用することをおすすめします。
「結局メインで使えないならコスパが悪いのでは」という人もいますが、薪をある程度ストックしておけばガスや電気などのライフラインが使えない災害時でも暖をとれるというメリットがあります。
その③ 近所トラブルになる可能性がある
薪の乾燥が不十分だったり、紙など余計なものを入れて燃やしてしまうと、不完全燃焼して煙突からススを多く含んだ煙が出てしまいます。そうなると、ご近所から「臭いが気になる」「洗濯が外で干せない」などのクレームが出てくる可能性が高いでしょう。
そのため、住宅地で暖炉や薪ストーブを設置する場合は、薪の燃やし方に十分注意してください。不完全燃焼を防ぐためのポイントは以下の通りです。
- 早く燃え尽きないようにと空気取込口を絞ってはいけない(酸素不足で可燃性ガスが燃え切らない)
- 湿った薪を燃やさない(温度が上昇せずに可燃性ガスが燃え切らない)
- 長持ちするようにと大きすぎる薪を入れない(温度上昇に時間がかかってうまく引火しない)
- 薪をたくさん入れ過ぎない(空気や炎の循環が妨げられてしまう)
これらに気をつけながら使っていても、人によっては近所で火を燃やすこと自体に不信感を抱く人もいるため、設置工事に取り掛かる前には近隣の方へのご挨拶や安全性の説明などを行うことをおすすめします。
その④ お子さんやペットが近づけないような対策が必要
小さいお子さんやペットのいるご家庭で暖炉や薪ストーブを導入する場合は、前にフェンス(ハースゲート)を設置するなどの対策が欠かせません。なぜなら、暖炉は火に直接手を触れられてしまいますし、薪ストーブは扉が付いているものの、本体全体が高温になるためです。
また、周辺が片付いていないと転倒など思わぬ事故の原因にもつながるため、暖炉や薪ストーブの周囲1mの範囲には極力余計なものは置かないようにしましょう。
その⑤ 設置する部屋の換気をできるようにしておかなくてはいけない
住まいの「高気密高断熱化」が進んでいる中、薪ストーブなどを使用する際にポイントとなるのが「換気量」です。部屋が高気密になればなるほど、給気不足となって火がつきにくくなったり、不完全燃焼になりかねません。
そのため、24時間換気システムをきちんと作動させ、場合によっては直接ストーブへ外気を取り入れられる仕組みにしておくことがポイントです。
また、「給気 < 排気 = 負圧状態」になると、煙がうまく煙突へ上りませんし、いくら外の寒さが気になるからといって一切換気をしないで室内で薪を燃やせば、最悪の場合二酸化炭素中毒になるリスクも出てきてしまうため、換気が十分に取れる状態に保ちましょう。
〈関連コラム〉
下記コラムでは、24時間換気システムについて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
日建ホーム|コラム|新築&リフォームに24時間換気システムを!その必要性やメリットを徹底解説
その⑥ 薪置き場を確保しなくてはいけない
意外と盲点になるのが、大量の薪を保管する場所を確保しなくてはいけないという点です。薪は基本的に乾燥した屋外に置くのが理想で、雨を凌げる屋根も作らなくてはいけません。
ガレージの中や、軒下の広いスペースなどがおすすめです。
ひと冬の間、1日最低でも半日程度薪を燃やし続ける場合、高さ2m・幅2.5m以上の薪置き場が必要となり、その場所が確保できないと頻繁に薪を取り寄せなくてはいけなくなります。
近くで薪を購入できない場合は、ある程度の量をストックできるように、保管場所を整えておきましょう。
事前に必ず“火災防止条例”をチェック
暖炉や薪ストーブを設置する場合、必ず確認しなくてはいけないのがその地域の「火災防止条例」です。
この条例は、消防法に基づいて火災予防・火災警戒・消防用設備等・特殊消防用設備等・消防についてそれぞれ詳しく規定されたもので、各自治体で定めています。
関東周辺エリアに限定すれば、自治体ごとに内容の大きな違いはなく、ストーブ・暖炉については以下のような記載があります。
(ストーブ)
第5条
1 ストーブ(移動式のものを除く。以下この条において同じ。)のうち、固体燃料を使用するものにあっては、不燃材料で造ったたき殻受けを付設しなければならない。
2 規則で定めるストーブには、規則で定める技術上の基準により、当該設備又は附属配管部分に、地震動等により作動する安全装置を設けなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、ストーブの位置、構造及び管理の基準については、第3条(第1項第11号、第12号、第14号及び第17号オ並びに第2項を除く。)の規定を準用する。この場合において、第3条第1項第1号ア中「別表第1炉の項」とあるのは、「別表第1ストーブの項」と読み替えるものとする。
(壁付暖炉)
第6条
1 壁付暖炉の位置及び構造は、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 背面及び側面と壁等との間に10センチメートル以上の距離を保つこと。ただし、壁等が耐火構造であって、間柱、下地その他主要な部分を準不燃材料で造ったものである場合にあっては、この限りでない。
(2) 厚さ20センチメートル以上の鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、れんが造、石造又はコンクリートブロック造とし、かつ、背面の状況を点検することができる構造とすること。
2 前項に規定するもののほか、壁付暖炉の位置、構造及び管理の基準については、第3条(第1項第1号、第9号から第12号まで、第14号及び第16号並びに第2項を除く。)の規定を準用する。
引用:千葉市火災予防条例
このように、設置周辺の内装仕上げや地震に対する処置をとる必要があるため、それらについても十分確認しておきましょう。
バイオエタノール暖炉もおすすめ
バイオエタノール暖炉とは最近注目の設備機器で、以下のような特徴があります。
- 煙やススが一切出ない
- 有害ガスが出ないため煙突は不要
- スイッチ一つで速やかに入り切りできる
- 燃焼時に水蒸気が出るため部屋が乾燥せず、すぐに暖まる
- バイオエタノールを燃料とするため、ガスなどの設備配管は不要
本体を設置するだけで使えるタイプも多数あるため、その手軽さから店舗やホテルなどの公共施設にも多く採用されています。
ただし、バイオエタノールは灯油などと比べると値段が高く、電気エアコンよりも効率が悪いため、嗜好品やインテリアアイテムとして取り入れられるケースも少なくありません。
しかし、薪を燃やす薪ストーブよりもハードルがかなり低いので、「炎を見ながらリラックスしたいけど面倒なのは苦手」という方は、ぜひこちらも検討してみてください。
施工事例|薪ストーブのある家
私たち日建ホームでは、千葉県を中心に数々の薪ストーブを設置した住宅を手がけてきました。ここではその中でも特徴的なものを3つ紹介します。
ケース① 和風空間に溶け込んだ薪ストーブ
考え抜かれた配置や収納計画で、部屋のどこを見ても一切の無駄のない静観な印象の住宅です。明るい木目とオフホワイトが基調のリビングで、ブラックの薪ストーブが空間を引き締めてくれます。
冬には庭を眺めながらストーブの前でゆっくりくつろぐこともできます。“大人シンプルモダン”なお部屋にしたい方は是非参考にしてください。
〈事例の詳細はこちら〉
日建ホーム|施工例|稲毛に建つ薪ストーブの家
その② ステップダウンフロアと薪ストーブで癒しスペースに
リビングの中心に設置された薪ストーブの前をステップダウンフロアにした事例です。
ステップダウンフロアとは、床レベルを一段下げることで、床に直に座って寛ぎやすくなり、緩やかにゾーニング分けできます。
段差部分にベンチのように腰掛ければ、大人数で火を囲んで会話を楽しむこともできるでしょう。
〈事例の詳細はこちら〉
日建ホーム|施工例|薪ストーブの炎の揺らぎに癒される家
ケース③ 大谷石でシックな大人空間に
こちらもリビングの中心に薪ストーブを設置した事例で、床と背面の大谷石が高級感とインパクトを与えてくれます。
吹き抜けから差し込む光と、障子を通した柔らかい光が相まって、室内に居ながらも自然を感じられる住まいです。
こちらのように、素材にこだわるだけでも部屋の印象はグンとおしゃれになるので、是非参考にしてください。
〈事例の詳細はこちら〉
日建ホーム|施工例|自然と暮らす薪ストーブのある家
まとめ|設置後の生活をシミュレーションしてから取り入れましょう
薪ストーブや暖炉は、寒冷地に住んだことのない人にとっては使い方やお手入れ方法をイメージすることは難しいでしょう。だからこそ、導入する前には十分注意点を理解しておかなくてはいけません。
「おしゃれだから」と安易に取り入れてしまうと、結局面倒で使わなくなったりご近所トラブルの原因になってしまいます。ぜひ今回したポイントや施工事例を参考に、焚き火の火を眺めながらリラックスできるマイホームにしてください。
私たち日建ホームは、お客様に安心していただける住まいづくりを徹底しています。土地探しや住宅ローンのご相談から、建設予定地の地盤調査、設計士・インテリアコーディネーターによるデザインのご提案など、各専門スタッフがチームでお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
千葉県でマイホームの暖炉・薪ストーブのある家をご検討中の方は日建ホームへご相談ください
おそらく一生に一度か二度になるであろう大切な家づくり。人生の一大事業ですので、たくさんの“希望”をお話し下さい。私たち日建ホームは「自分の家をつくるように」お客様の家づくりに真摯に取り組みます。
お約束①自分の家を建てるように心を込めて丁寧につくります。
私たち日建ホームは、千葉県我孫子市を拠点とする地域密着の工務店です。世界で唯一無二のオーダーメイドの家。暮らしの夢や希望を丁寧にヒアリングし、プロの建築技術集団として注文住宅にしかできない住み心地を実現します。
お約束②現場をきれいにします。
家は、ひとつひとつの工程を丁寧に積み重ねて出来上がっていく究極の手仕事。現場をきれいにすることでムリ・ムダ・ムラを排除しスムースに安全に家づくりができます。近隣に配慮し何よりもお施主様に喜んでいただける現場を目指します。
お約束③一生涯のパートナーとしてずっと家をお守りします。
「家」は住み始めることで「住まい」となり、住み始めてからも理想の暮らしの追求は続きます。住み続けることで変化する事柄に、ハウスドクターとして一生涯、何でも相談していただけるよう、いつも、そしてずっと傍らに居続けます。
お約束④「健康快適設計基準」で健康配慮の家をつくります。
「家」と「健康」には密接な関係があります。毎日を過ごす家のデザインや性能が身体的・精神的に大きく影響します。温熱性能(高気密・高断熱・24時間換気)、自然素材、健康配慮の家をつくります。
お約束⑤5つの保証制度で責任をもって保証します。
建設工事総合保証、無料定期点検10年間 、瑕疵担保責任10年間、地盤保証システム20年間、ぽけっと団信 住宅代金保証制度(オプション)で責任をもってお施主様の家をお守りします。
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