フローリングの小上がりは使いやすい?畳との違いや注意点、活用アイデアを紹介

フローリングの小上がりは、リビングに立体感と機能性をもたらす魅力的な空間です。
段差を活かした収納や緩やかなゾーニング、掃除のしやすさなど実用的なメリットがある一方で、床材選びを誤ると使いにくさや圧迫感につながる場合もあります。
この記事では、千葉県を中心とした関東エリアで注文住宅を手がける工務店「日建ホーム」が、フローリングと畳それぞれの特性比較から設計時の注意点、おしゃれな施工事例まで幅広く紹介していきます。
●段差に引き出し収納やロボット掃除機の充電ステーションを設けることで、スペースを有効活用できます。
日建ホームでは、自然素材を利用した家づくりのよさを伝えるために「家づくりはじめてセット」をご希望の方にお届けしています。
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資料の詳しい内容につきましてはこちらをご覧ください。
目次
小上がりとは|空間に立体感とリズムを生む段差

小上がりとは、リビングなどの床面から一段高く設けたスペースのことです。
床面に高低差をつけることで部屋全体に立体感が生まれ、壁や扉で仕切らなくても、空間の役割を緩やかに分けられます。
従来の小上がりは畳を敷くスタイルが一般的でしたが、最近では、LDKとの統一感を重視してフローリング仕上げを選ぶ方が増えています。
段差部分に腰掛けてベンチのように使ったり、床下を収納として活用したりと機能性にも優れている点が小上がりの魅力です。
小上がりの床材の種類
小上がりの床材は主に「フローリング」と「畳」の2種類です。
【小上がりのフローリングと畳の違い】
| 項目 | フローリング仕上げ | 畳仕上げ |
|---|---|---|
| 雰囲気 | ・モダンでスタイリッシュ ・LDKと一体感が出る | ・和の安らぎを感じる ・イグサの香りや温かみがある |
| 適した用途 | ・書斎やワークスペース ・ダイニングのベンチ ・重たい家具を置く | ・子供の遊び場やお昼寝 ・来客用の寝室 ・直接座ってくつろぐ |
| 掃除・手入れ | ・水拭きや掃除機がかけやすい ・汚れが染み込みにくい | ・飲み物をこぼすとシミになる ・定期的に畳の表替えが必要 |
| 家具の設置 | ・キャスター付きチェアも使用できる ・跡残りを気にせず置ける | ・重たい家具は跡が残る |
フローリングの小上がりを採用する場合、足触りや風合いの良い「無垢床」を選ぶのもおすすめです。
無垢材ならではの特徴や、採用する前に知っておきたいポイントをこちらで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
『無垢床』5つのメリット・3つのデメリット│「後悔する」言われる理由は?対策も紹介
設置方法による違い
小上がりの設置方法には工事で作り付ける「造作」と、既製品を置く「ユニット式」の2つがあります。
- 造作(大工工事)
- ・部屋の寸法に合わせて設計できるため、無駄なすき間が生まれない
- ・床下の収納形状やコンセント位置、素材を自由にカスタマイズ可能
- ・空間デザインと調和させたい場合に適している
- ユニット式(置き型家具)
- ・大掛かりな工事が不要で、手軽に導入できる
- ・ライフスタイルの変化に合わせて、簡単に移動や撤去ができる
- ・将来的に部屋の使い方が変わる場合でも安心
フローリングの小上がりを作るメリット

フローリングの小上がりには、以下5つのメリットがあります。
- ・段差を利用して収納スペースを確保できる
- ・家具配置の自由度が高い
- ・空間を緩やかに仕切れる
- ・掃除がしやすい
- ・ロボット掃除機を格納できる
1.段差を利用して収納スペースを確保できる
小上がりの大きなメリットは、床下のスペースを大容量の収納に変えられる点です。
- ・引き出し収納:頻繁に出し入れする日用品やおもちゃに。
- ・跳ね上げ式収納:季節外の家電や布団、防災グッズなど大きな物に。
収納家具を別途置く必要が減るため、居住スペースを広くスッキリと使えます。
2.家具配置の自由度が高い
フローリング仕上げなら、畳のように「家具の跡」や「日焼け」を気にする必要がありません。
- ・本棚やデスクを設置して、書斎スペースとして使う
- ・キャスター付きのワークチェアを置いて作業に集中する
お子様の成長に合わせた学習スペース作りにはもちろん、在宅ワークの書斎にも柔軟に対応できます。
ご自宅に書斎やワークスペースを取り入れた間取りの人気が高まっています。
より集中できる環境づくりのコツや、デスク配置の実例については、こちらもご覧ください。
〈関連コラム〉
【ワークスペースを自宅に】間取り別に実例紹介!メリット・デメリットやおしゃれ・機能的にするコツも解説
3.空間を緩やかに仕切れる
小上がりは壁を使わずに段差だけで空間を仕切るため、圧迫感を与えずに役割を分けられます。
- ・視線の抜けを保ちつつ、リビングとは別の役割を持たせられる。
- ・キッチンにいる家族と視線の高さが合いやすく、会話が弾む。
- ・空間に立体感が生まれ、部屋を実際の面積以上に広く見せる効果がある。
ご家族の気配を感じながら、適度な距離感を保って過ごせます。
4.掃除がしやすい
フローリング材は畳に比べて汚れに強く、日々のお手入れが簡単です。
- ・飲み物をこぼしても、サッと拭き取るだけでシミになりにくい。
- ・畳の目のようにゴミやホコリが詰まる心配がない。
- ・ダニやカビの発生リスクも低く、衛生的。
小さなお子様やペットがいるご家庭でも、清潔に保ちやすい素材です。
5.ロボット掃除機を格納できる
生活感が出やすく散らかりがちなのが、ロボット掃除機や充電コード類です。
これらを小上がりの下のスペースに隠してしまえば、リビングはいつもスッキリします。
掃除が終われば自動で床下の充電ステーションへ戻っていくので、見た目もスマートです。
フローリングの小上がりのデメリットと対策

メリットが多い一方で、建築後に後悔しないために、事前にマイナス面も把握しておく必要があります。
フローリングの小上がりのデメリットは以下の2つです。
- ・フローリングは硬さと冷たさを感じやすい
- ・部屋に圧迫感が出やすい
1.フローリングは硬さと冷たさを感じやすい
フローリングには畳のようにクッション性がないため、長時間座っているとお尻に痛みを感じやすいです。
また、冬場はヒヤッとした冷たさが気になる場合もあります。
【対策】
ラグやカーペットを敷くことで、硬さと冷えを和らげられます。
床暖房を導入すれば、冬でも足元が暖かく快適に過ごせます。
2.部屋に圧迫感が出やすい
床が高くなる分、天井までの高さが低くなり、圧迫感が生じる場合があります。
面積を広くとりすぎると、部屋が狭く感じられるケースがあります。
【対策】
小上がり部分の天井を高くする「折り上げ天井」や「勾配天井」を取り入れると、天井が低くなる分を視覚効果によりカバーできるため、開放感を損ないません。
小上がりで後悔しない設計ポイント

小上がりを快適な空間にするには、広さや高さ、配置などの計画が欠かせません。
設計時に押さえておきたいポイントは以下の2つです。
- ・間仕切りを活用して開放感を調整する
- ・視線が抜けるように配置する
間仕切りを活用して開放感を調整する
個室として使う可能性がある場合、仕切りの選び方がポイントになります。
- ・引き込み戸:壁の中に扉を収納できるため、開けた時に完全な開放感が得られる
- ・吊り戸:床のレールをなくすことで、リビングとシームレスにつながり、掃除も楽になる
- ・ロールスクリーン:壁を作らず、必要な時だけ視線を遮りたい場合に有効
空間を緩やかに仕切りつつ、光や風を通したい場合には「室内窓」を組み合わせるのも効果的です。
小上がりとリビングのつながりを、よりおしゃれに演出するための室内窓のアイデアをこちらで紹介しています。
〈関連コラム〉
”室内窓”のメリット・デメリットは?選び方のポイントや施工事例も紹介
視線が抜けるように配置する
部屋の真ん中ではなく、外壁の2面に接するように配置すると圧迫感が少なくなります。
生活動線を妨げず、空間の一体感が保たれやすい配置です。
また、小上がりの床の高さに合わせて地窓を設けると、視線が抜け、実際の面積以上に広く感じられます。
掃き出し窓を小上がりの床高さに合わせて設置する方法もおすすめです。
おしゃれな小上がりの施工事例

最後に、日建ホームが手がけた小上がりのある住宅の施工事例を紹介します。
室内デッキテラスを兼ねた小上がり
窓辺に設けた小上がりを、室内デッキテラスのように活用している事例です。

ダイニングテーブルと隣接させ、小上がりを椅子の代わりとして使っています。
座る人数に融通が利くため、ご自宅に大勢集まった際も余裕が生まれます。
天井格子で落ち着いた印象の小上がり
ダイニングの一角に小上がりを設け、天井には木の天井格子をあしらいました。

天井高をあえて抑えることにより、落ち着きを演出した事例です。
小上がりとキッチンのカップボードを、ロフトへの階段がうまく仕切るよう工夫しました。
緩やかにつながる小上がり
ロールスクリーンを設け、リビングと緩やかにつながる小上がりです。

必要に応じてロールスクリーンを下ろすことで、空間を仕切れます。
小上がりの下には引き出し収納を設け、リビングの日用品を収納できます。
キッチンのすぐ隣に配置されているため、家事の合間の休憩スペースとしてもおすすめです。
趣味も家事もはかどる小上がり
2階へと上がる階段の手前に、壁一面の本棚と小上がりを設けた事例です。

お気に入りの本を手に取り、段差に腰掛けて読書を楽しむライブラリースペースです。
キッチンへも直接抜けられる回遊動線になっており、家事効率にも優れています。
料理の煮込み時間などのすき間時間に、読書をしながら家事も両立できます。
まとめ|小上がりは自由度が高く機能的な空間

フローリングの小上がりは、単なる段差ではなく、ベンチや収納、書斎としても使える、限られたリビングを有効活用するアイデアです。
平坦なワンフロアにはない多くのメリットがある一方で、バリアフリーの観点や部屋の広さとのバランスの考慮が求められます。
ご家庭のライフスタイルに合わせた、最適な小上がり計画の参考になれば幸いです。
千葉県で”小上がりを採用した住宅”をご検討中の方は日建ホームへご相談ください

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