これでは健康になれない

多くの人が使う施設で喫煙を規制する改正健康増進法が成立しましたが、
対象範囲についてはいろいろと駆け引きがあるようです。
本来の改正法は、望まない受動喫煙をなくすことが目的のハズなので
原点に戻れば答えは簡単なハズ。

そもそもタバコの煙には3つの種類があります。
①    主流煙:喫煙者が直接タバコから吸い込む煙
②    副流煙:火をつけたタバコの先端から立ち上る煙(受動喫煙の対象)
③    呼出煙(こしゅつえん):喫煙者が鼻や口から吐き出す煙(受動喫煙の対象)

そして受動喫煙で吸い込む②副流煙は、①主流煙よりも強い毒性を持っているのが問題。

副流煙に含まれるニコチン、タール、一酸化炭素が主流煙の約3~5倍。アンモニア、ホルムアルデヒド等強い発がん性があるニトロソアミンにいたっては、主流煙の約50倍にもなるそうです。

近年、多くの企業は、屋内に喫煙ルームを設けて分煙対策を行っています。しかし、分煙だけでは、タバコの健康被害をゼロにすることはできません。
タバコを吸い終わったあとも、喫煙者の髪の毛や衣服にはタバコの粒子やタバコに含まれる有害物質が付着しています。また、タバコを吸った人の呼気(吐く息)には大量のガス状物質が含まれ、喫煙の影響がなくなるまでに45分は必要とされています。その有害物質が空気中の化学物質と反応して揮発する発がん性物質を吸い込むことを、「三次喫煙」といいますが、三次喫煙も、タバコを吸わない人がタバコによって健康被害を受ける原因のひとつです。

結果的にタバコを吸わない人の健康を守るためには、分煙ではなく禁煙する以外に方法はありません。

厚生労働省が平成27年に発表した調査によると、受動喫煙対策に取り組んでいると回答した企業は、全体の87.6%、建物の内部をすべて禁煙にしている企業も約38.1%、建物内部を含む自社敷地内すべてを禁煙にしている企業は15.2%でした。