大谷の石

秋の旅行シーズンが始まる先日、GoToトラベルキャンペーンを利用して大谷石の地下採掘場跡を公開した「大谷資料館」に行ってきました。

大谷の石「大谷石」は、栃木県宇都宮市大谷の付近一帯から採掘され、建築資材として広く利用される緑の鉱物を含んた凝灰岩です。約1500万年前に起こった海底火山の噴火によって火山灰が堆積し膨大な凝灰岩の地層が形成されました。

大谷石が本格的に採掘されたのは江戸の時代頃からで、当初は農閑期に露出する石を採掘していましたが、明治以降は建材としての需要が増えて採掘産業として本格化し、地下数十メートルまで大規模に採掘した結果、跡に巨大な地下空間が出来ました。

写真の地下空洞は天井高が約30mあり、壁の上部にはツルハシを使った手彫りの跡が、下部には機械化が進んで円盤状のノコギリ跡が見られ、採石の歴史と苦労の跡を感じます。

天井を支える巨大な柱は規則正しく立ち並び、掘削した後の巨大な空間はエジプトの岩盤の神殿や遺跡を連想させるものでした。近年、この幻想的な空間を利用して映画のロケやコンサートを開催、また挙式場としても利用されているとの事でした。

最後に、写真の大谷石のカエルの置物は、地元では「無事カエル」の呼び名で知られ、無事に帰ることを願って玄関先などに飾るようです。

(旅の最終目的地は奥日光で、大谷にはドライブの途中に寄りました。)

By Hira