太陽の日射熱の効果と断熱性についての室温シミュレーション
パッシブ設計のパッシブを英訳すると「受動的、消極的、自分から積極的に働きかけないさま」ということですが、建築においては、建物の周りにある自然のエネルギー(太陽の光や熱、風など)を利用することかと思います。
今回は自立循環型住宅のモデルハウスを使って、太陽の日射による室温をシミュレーションしてみたいと思います。
自立循環型住宅のHP
※ちなみにこの中にJJJチャンネルという省エネの最新動向が得られる動画あります。かなりコアな内容などもありますので、ほとんど実務者向けの内容ですがとても勉強になります。
【今回シミュレーションで使用させて頂いた自立循環型住宅のモデルハウス】
(1F平面図と2F平面図 ※延べ面積は約120㎡(36坪程度)
(モデルハウスの外観 北西の角が十字路になっており、東、南東、南に隣家がある想定)
(条件)
・弊社は千葉県の我孫子市にあるので、地域条件は我孫子(6地域)とします。
・時期は冬の1月24日~1月28日を想定。
(動画の範囲は1月28日の温度変化を表示しています)
・冷暖房は一切使用しない状態(自然室温)にて比較。
・4人家族、住宅事業主の判断基準による生活サイクルを想定。
下のグラフは水色が外気温、青がリビングの温度になります。
【UA値0.77 隣家ありの場合】※省エネ基準レベルを想定
【UA値0.77 隣家なしの場合】
隣家ありとなしでは、昼間のリビングの温度に大きく変化(ピークで7度程度差)があるのが分かります。
今度は断熱性を上げた場合の変化を見てみます。
【UA値0.46 隣家なしの場合】(HEAT20 G2を想定)
1月28日について、UA値0.77の隣家なしと比較してみます。
リビング最低の温度は、UA値0.77では5度程度、UA値0.46では10℃程度と約5度ほどの差になりました。
リビング最高の温度は、UA値0.77では17.5度程度、UA値0.46では19℃程度と約1.5度ほどの差になっています。
断熱性を高めることは、部屋の最低温度の改善効果が高いということが分かります。
太陽の熱の利用と断熱性の向上効果による影響はとても大きいので、ぜひ太陽の力を利用した家づくりを目指していただけたらと思います。
TAKANAKA