地震と地盤の揺れやすさ

地震に対して、安心して暮らせることを考えたときに、耐震等級3の家を建てれば良いと多くの人は思うと思います。

強い家を建てるのは、推奨されるべきことですが、建物にかかる地震の力を考えたときに、単に硬い頑丈な家を建てること以外にも有効な手立てがあります。

それは、地震で揺れにくい地盤を探すことです。

まず、家を建てるときに初期の段階で考えることは予算を考えることと土地探しです。(土地を所有していない方の場合)

土地を探す際に、立地や利便性以外にも、地盤の揺れやすさについても考慮してもらうと、スタート時点で、地震で壊れにくい家を検討することができます。

また、その他の自然災害(浸水被害、洪水被害など)も同時に考慮して頂けると尚良いです。

建てたいと考えている土地が、強い地盤か弱い地盤かを確認できるサイトがありますので活用してみてください。

「地盤サポートマップ」 ジャパンホームシールド㈱

https://supportmap.jp/#13/35.6939/139.7918

試しに弊社の会社住所を入れて見てみます。

地震の揺れやすさは、住宅地エリアはオレンジ色で中程度の地盤、田んぼのある部分は赤色のかなり揺れやすい地盤となっています。

こちらは洪水浸水想定をマップに落としたものですが、どのあたりで何m程度の浸水が想定されるかを見ることができます。

地盤の揺れやすさについては、地域微動探査協会を参照しました。こちらに詳しく書かれていますので興味のある方は読んでみてください。

JMSC 地域微動探査協会のサイト

地盤の「ゆれやすさ」を調べるには?

また、揺れやすさのマップは250m四方の表示となるため、同じ揺れやすいエリアでも、実際に調査した場合は揺れやすさが違ってくることがあります。

熊本地震でも、道路を挟んだ向かい側と手前側で、倒壊の多いエリアと健全な建物が多いエリアに分かれていた地域があったようです。これには家の耐震性能の他に地盤が大きく影響しています。

通常、住宅を建てる際には地盤調査が必須となりますが、一般的にはスクリューウェイト貫入試験方法(スウェーデン式サウンディング試験)が用いられます。

地盤調査をしているなら揺れやすさも分かるのでは?と思うかもしれませんが、上記の調査は、建物の自重に対して建物が傾く危険性があるかどうかを確認するもので、実は地震の際に建物が揺れやすいかどうかを目的にしているものではありません。

その土地の揺れやすさを知りたい場合は、微動探査を実施すると、地震による揺れやすさ、揺れやすさに対する耐震性能の検討などが行えます。

~今後の大地震を想定する~

今後、30年で大地震が起こる確率は、70%以上と言われています。

その中でも、おおきく取り上げられているのが、南海トラフ地震と首都直下型地震です。

この地震に対しても、想定しているのとしていないのでは家づくりが大きく変わってくると思います。

地震情報については、気象庁や内閣府の防災情報ページに詳しく記載されています。
また、内閣府から巨大地震の被害や対策の動画なども公開されていますので、よろしければ下記のサイトからご覧ください。

気象庁のページ ~南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ~
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/assumption.html

内閣府 防災情報のページ ~南海トラフ巨大地震、首都直下地震の被害と対策に係る映像資料~
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/nankai_syuto.html

では、簡単にまとめてしまうと、防災面の観点から土地を考えた場合は

・少し小高い土地(水災被害を防ぎ)と硬い地盤(地震で揺れにくい)の上に家を建てる

・そして、周囲の建物が倒れて自分の家が倒れないように、密集地などよりも比較的余裕のある土地を探されるのが望ましいと考えます。

TAKANAKA