知っているようで知らない「遮熱」と「断熱」の違いは?快適空間を作るためのポイントについても

突然ですが、皆さんは家を建てる際にどのようなポイントを重視しますか?

デザインや性能、利便性など、着目点は人ぞれぞれでしょう。

その中でも、近年は省エネ志向の方が増えていることもあり、家の断熱性を第一に考えるケースが増えてきています。

しかし、「遮熱」と「断熱」を混同してしまい、どうすれば家の断熱性を高められるか知らない方も少なくありません。

そこで、今回は「遮熱」と「断熱」の違いや、快適な室内空間を作るためのポイントについて解説します。

これからマイホームを建てる方はもちろん、今の住まいに満足できていない方は、ぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント
●「遮熱」と「断熱」は家に外気温を伝えない点では同じですが、そのプロセスが全く異なります。
●快適な室内環境を作るためには、「遮熱」と「断熱」をバランス良く取り入れることが重要です。
●日建ホームでは、お客さまのご要望にしっかり耳を傾け、理想の住まいづくりをお手伝いさせていただきます。




快適な室内空間にするためのポイントは?

ブラックのドアとキッチン

室内を快適に保つための条件は、ずばり「温度と湿度」のバランスです。

温度が高すぎても低すぎてもいけませんし、湿度も居心地を左右します。

人間が“快適”に感じるためには、空間に関する4要素と、人体に関する2要素の条件が揃わなくてはいけません。

【快適と感じる空間の4要素】
温度
湿度
気流
(周辺の空気の流れ)
熱放射
(室内の表面温度)

【快適と感じる人体の2要素】
代謝量(人間の活動量)
着衣量(人間の服装)


特に、空間の4要素は個人で調節することは難しく、住まいや設備機器を工夫しなくてはならないため、適切な環境条件を知っておく必要があります。

では、それぞれ詳しく紹介していきましょう。

温度

環境省では、室温を「17℃以上28℃以下」にするように推奨しています。

その根拠は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令(第2条の1)」と「事務所衛生基準規則(第5条の3)」にあります。

この2つの法律では、室温を18℃以上28℃以下にして、空調機器を使い室温を外気温より低くする場合は、その温度差を大きくしないことを明記しています。

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湿度

湿度は、人の温冷感を大きく左右し、極端に低湿度・高湿度の場合には、温度による不快感に加えて、静電気やカビなど別の不快感もプラスしてしまいます。

では、具体的にはどの程度の湿度に保てば良いのでしょうか?

先ほど紹介した2つの法律では、室内の湿度についても言及しており、相対湿度が40〜70%に保つように明記されています。

ただし、これはあくまでも人間の健康を害さない基準であり、理想は40〜60%です。

40%以下になると肌やのどの乾燥を実感する上に、ウイルスを含んだ飛沫が蒸発して長期間空気中に漂ってしまいますし、一方で60%以上になるとダニが繁殖し、80%以上になればカビにとって好都合な環境となってしまいます。

気流

同じ室温環境であっても、風が直接当たれば体感温度は下がるため、気流条件も大切な要素です。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令(第2条の1)」と「事務所衛生基準規則(第5条の3)」では、気流についても0.5m /秒以下にするように定めています。

また、風速以外にも特定の人物に直接かつ継続して気流が当たらないようにすることも明記されています。

ただし、室温が高い場合には、扇風機など気流を敢えて起こして、体感気温を下げることも有効です。

熱放射

周囲の表面温度が低ければ、室温が高くても快適になりますし、その逆も然りです。

そのような熱放射環境を判断する上で用いられるのが、平均放射温度(MRT)です。

これは、周囲の全方向から受ける熱放射温度を平均化した数値で、数値が室温よりも高いと人は暑く感じ、逆に低いと涼しさ・寒さを感じます。

例えば、室温が24℃で室内の床・壁・天井の平均放射温度(MRT)が8℃の場合は、以下の式が成り立ちます。

つまり、より熱放射率の低い素材を用いることで、体感温度は変わるということです。



”遮熱”と“断熱”の違いは?

“空間の4要素”を快適な状態に保つには、外気温を室内に持ち込まないことが肝心です。

そこでキーワードとなるのが「断熱」と「遮熱」です。

同じような言葉としてとらえられることもありますが、建築の分野においてはそれぞれ意味合いが少々異なります。

「断熱」

断熱とは字の通り、熱を断つことを意味し、外気温の影響を断熱材で食い止める仕組みや工夫を指します。

「遮熱」

遮熱は、日射による熱を吸収しないように反射することで、断熱材や遮熱材付きの外壁材や屋根材で室内に伝えないようにシャットアウトする仕組み・工夫を指します。

では、住まいの暑さ・寒さ対策において、具体的にはどのような方法があるのでしょうか?

「断熱」する方法

高気密高断熱住宅というキーワードが注目されている通り、住まいに断熱性能を持たせることで外気温の影響を抑えることができます。

  • 壁や小屋裏、床下に断熱材を入れる
  • 断熱塗料で外壁を塗る
  • 断熱材入りの玄関ドアを取り付ける
  • 樹脂サッシなど熱伝導率が低い断熱サッシを取り付ける
  • 複層ガラスなどの断熱ガラスを取り付ける…


このように、家の壁や開口部を伝わる熱量を最小限に抑えることで、冬には室内の暖房熱を漏らさず、夏には室外の暑さを室内に伝えないようにできるのです。

「遮熱」する方法

遮熱は断熱と混同されがちですが、基本的には熱を反射させて室内に影響を及ぼさないようにすることを言います。

  • 遮熱塗料で外壁や屋根を塗る
  • ガラスに遮熱フィルムを貼る
  • 屋根裏に遮熱シートを貼る
  • 開口部上に遮熱性のある庇やシェードを取り付ける…


断熱と異なる点は、熱線を跳ね返して室内に伝えない点です。

そのため、基本的には室内の暖かさや涼しさを外部に漏らさない効果はあまり期待できませんし、室内側で遮熱をしても効果は薄いです。

つまり、遮熱だけでは室内環境を整えることは難しく、断熱とのバランスが重要となります。



透明な部分には”遮熱”&それ以外の部分は“断熱”を

遮熱と断熱はどちらも外気の暑さ・寒さを室内に伝えない意味では同じですが、そのアプローチが異なります。

そのため、本来なら部位によってそれぞれを使い分ける必要があるのです。

その理由は、ガラスのような透明な部分では断熱性を高めるには限界があるためです。

日射によって伝わる熱と光には密接な関係があり、太陽光に含まれる紫外線(UV)・可視光線(見える光)・赤外線のうち、赤外線は物を温める性質があります。

引用:気象庁

つまり、太陽光を完全に遮断しない限り、光を通すガラスなどの透明部分では断熱が難しいということです。

ですから、「日当たりが良すぎてとにかく部屋が暑い」という場合には、遮熱性のあるガラスにしたり、物理的に窓から差し込む光を遮断するオーニングなどを取り付けましょう。

一方で、壁や屋根などの透明でない部分は、断熱材によって断熱性能を持たせれば、必然的に光を通さないことになるので、一定の遮熱性も兼ね備えます。

つまり、壁面などは表面の遮熱性を高めることよりも、より高性能の断熱材などで断熱性を高める方が効率的でしょう。

また、壁・屋根・床などの断熱性を高めれば、室内の快適な温度を維持する上でも効果的です。

遮熱はあくまで外気からの影響をシャットダウンするためのものであり、室内環境を保つためには大きな意味はありません。

快適な室内環境を作る場合には、遮熱と断熱をうまく組み合わせることが重要で、どちらか一方では不十分なのです。

ただし、あまりに遮熱・断熱にこだわりすぎると、視覚的・意匠的に心地よい空間でなくなる可能性もあります。

住まいにどの程度の性能を求めるかや、遮熱・断熱にどれほどの費用をかけるかで、仕様を決めることも重要です。



まとめ|快適な室内環境のためには“遮熱”も“断熱”も必要

”遮熱”と“断熱”は目的は同じでも、そこに至るまでのプロセスが異なります。

また、素材や部位によって、それぞれどちらを選べばいいかも違いますので、2つを使い分けて設計しなくてはいけません。

ただし、あまりに遮熱・断熱にこだわりすぎても心地よい空間ができませんので、デザインや間取りと合わせて、優先順位をつけることも重要です。

そのためには、建築会社の豊富な知識と経験は欠かせません。

私たち日建ホームは、常にお客様に安心していただける住まいづくりを徹底しています。

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日建ホーム編集部

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一級建築士・一級施工管理技士・耐震診断士・宅建士・福祉住環境コーディネーターのいる建築プロ集団です。

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