木造住宅のメリット・デメリットを知って“長寿命”な住宅に。ポイントを解説

木造住宅のメリット・デメリット

日本では古くから木造住宅が建てられてきましたが、近年はマイホームを建てる際に、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)を選ぶ方も増えています。

新築住宅を検討している方の中には、「一体どんな構造を選べばいいか判断できない」という方も少なくないはずです。

そこで、今回は木造住宅のメリットとデメリットを詳しく解説します。

ご家族で末長く快適に暮らせる住まいを建てたい方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
● 木造住宅は、コスト面・耐久性・快適性・環境面において、他構造よりも優れた特性を持ちます。
● メリットの木造住宅にも、事前に知っておくべきデメリットや注意点があります。
● 日建ホームはどこよりも早く高気密・高断熱住宅の建築に取り組んでおり、お客さまのご要望を取り入れた快適な省エネ住宅を数多く手がけています。


日本では木造住宅が9割以上!その理由は“7つ”のメリットにあり

木造住宅のメリットとは

日本における木造住宅の歴史は古く、弥生時代の竪穴式住居にまでさかのぼります。

現存する世界最古の木造建築物である奈良の法隆寺は、既に建築後1300年ほど経っていることからも分かる通り、日本の木造技術は高度で、様々な建築技術が発展している現代においても、多くの住宅で採用されているのです。

国内の住宅における構造を見てみると、一戸建住宅の92.5%が木造であるというデータも出ています。平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計

では、なぜこれほどまでに木造住宅が多いのでしょうか?

その理由は、7つのメリットがあるからです。

建築コストを抑えられる

木造建築は他構造と比べて、建物重量が軽いため、基礎工事や地盤改良工事のコストを大幅に抑えられます。

また、施工に大掛かりな重機をほとんど使わず、コンクリートに必要な乾燥期間(養生期間)もそれほど必要ありません。

そのため、建築に係るトータルコストを削減できるのです。

実際に、国土交通省の調査データ(2022年度建築着工統計調査・住宅着工統計)によると、木造は他構造よりも施工費が大幅に安いことが分かります。

構造種別1㎡あたり工事費予定額(万円)※全国計
木造17.7
鉄骨造(S造)28
鉄筋コンクリート造(RC造)27.7
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)26.5
(参考資料:2022年度建築着工統計調査・住宅着工統計(新築住宅)利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費)/戸数、床面積、工事費予定額、1戸あたり工事費予定額、1平米あたり工事費予定額



天然の調湿効果がある

木は伐採された直後、含水率が100〜200%と多くの水分で満たされていますが、それが建築材料として使われるまでに15〜30%にまで乾燥されます。

しかし、細胞の空洞はそのまま残るため、木材はそこに空気中の水分を吸収し、乾燥時にはそれを放出する「調湿機能」が保たれるのです。

木材の調湿機能
(引用:林野庁

そのため、四季折々で気候が変わり湿潤・乾燥を繰り返す日本においては、特に適した建築材料と言って間違いないでしょう。

構造体はもちろんですが、内装へ木材をふんだんに取り入れれば、室内の湿度変動が小さく抑えられることは明らかになっています。

そのため、木造以外の大規模建築物においても、内装の木質化が進んでいるのです。(参考:林野庁|内装木質化した建物事例とその効果


設計デザインの自由度が高い

木造建築、特に軸組工法(在来工法)は、横架材(梁など)と柱の接合によって耐力を確保し、耐力壁を除き、壁自体で荷重を支えることはありません。

そのため、間取りにおける壁の位置や開口部の位置などについて、比較的自由度が高い点は大きなメリットです。

一方、鉄筋コンクリート造は壁自体も荷重を支えるための構造体であるため、壁や開口部の位置が限定されてしまいます。

鉄骨造は比較的大きな室内空間を作れますが、太い柱型が壁から飛び出すため、部屋の広さに影響を及ぼします。

耐火性に優れる

建築基準法上、木材は可燃材であり、コンクリートや鉄は不燃材とみなされます。

そのため、どうしても木造住宅は火災に弱いと思われがちです。

しかし、木材は着火しやすいものの、他の建築材料よりも強度が落ちるまで時間がかかり、室内にいる人の避難時間を確保しやすいという特性もあります。

なぜなら、木材は燃え始めると外側が炭化して、中央部まで酸素が行き届かず、なかなか燃え進まないからです。

鉄と加熱による強度低下を比べると、鉄は10分足らずで強度が10%程度まで激減するのに対して、木材が同等の強度にまで下がるまでに40分程度かかるというデータも出ています。

(引用:一般財団法人 木を活かす建築推進協議会|木造建築の防耐火性(木造建築は火災に弱くない)

火災時に亡くなる方の半数程度が「逃げ遅れ」によるものであるとも言われているため、避難時間を十分確保できるかどうかは、安心安全な生活を送る上で重要なポイントです。(参考:内閣府大臣官房政府広報室|住宅火災からいのちを守る10のポイント。「逃げ遅れ」を防ぐために。


断熱性が高い

木材は、構造体に使われる建築材料の中でも、特に高い断熱性を持ちます。

なぜなら、鋼やコンクリートと比べて“熱伝導率”が極端に低いからです。

主な建築材料熱伝導率(熱の伝え“やすさ”)
55
コンクリート1.6
天然木材0.12
グラスウール断熱材(10K相当)0.050
(参考元:一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター


熱伝導率が低いということは、熱を通しにくいということ。

グラスウールほどではありませんが、かなり断熱性が高いことがお分かりいただけるでしょう。

ただし、木造住宅は他構造のように気密性が高い訳ではないため、断熱性を維持するためには構造体の隙間を極力なくすなどの高気密施工が必要となります。

将来的な可変性が高い

木造住宅、特に軸組工法(在来工法)は、他構造よりも将来的なリノベーションをしやすい点が大きなメリットです。

間仕切り壁の移動や開口部の追加・変更など、ライフスタイルの変化に合わせて間取り変更することもできます。

このような可変性があることで、家族構成などの変化に対応でき、住宅を長寿命化する上で欠かせないポイントと言えるでしょう。

国土交通省も、長寿命化木造住宅の指針として、「可変性の確保」を挙げています。

可変性の確保

家族構成の変化等に対応して、大規模な改修等を伴うことなく、部屋の使用形態の変更、間取りの変更等が容易に行えるようにするため、以下のような可変性の確保に関する措置を講じること。

イ 入居世帯の家族構成・生活様式等の変化に伴う使用形態の変更や改修などに容易に対応可能な平面・断面・構造計画等の採用

・平面あるいは階高の上でゆとりのある大きな空間の確保、続き間にみられるような複数の部屋の一体利用を可能とする工夫等を行うこと。

・将来の用途変更等が想定される場合には、それに伴う荷重の増加を見込んだ構造計画を採用すること。

ロ 入居世帯の家族構成・生活様式等の変化に柔軟に対応できる間仕切壁等のインフィルシステムの採用

・間仕切壁等の移設による間取りの変更が容易なように、天井・床と間仕切り壁等の納まりを天井・床勝ちとするとともに、部品化された間仕切りユニットや収容ユニットを適宜活用すること。

・間仕切壁等の移設に際して構造躯体や設備配管が障害とならないようにしておくとともに、移設予定先への補強用下地の設置、天井高の統一等に留意すること。

(引用:国土交通省|長寿命木造住宅整備指針の策定について



最近では、将来のリノベーションを前提に、構造(スケルトン)と内外装・設備(インフィル)をそれぞれ切り分けて設計する「スケルトンインフィル(SI)構造」を採用する住宅も増えています。

スケルトンインフィルで長寿命な住宅に
(引用:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会|「長寿命化リフォーム」の提案 ストック時代の新たなビジネスモデル


構造(スケルトン)は高耐久で長寿命な仕様にし、内外装(インフィル)は生活の変化に合わせてリノベーションしやすくしておくことで、一つの住宅を長期に渡って使い続けられるようになるのです。


地球環境への負荷が少ない

木材、つまり木は、生育過程で空気中の二酸化炭素を吸収して成長し、炭素を抱え込みます。

そのため、木造住宅は他構造と比べても、一戸あたりの炭素貯蔵量(炭素固定量)は明らかに多いとされているのです。

また、木材は製造・加工時の二酸化炭素排出量が少ないという特徴を持ちます。

つまり、地球温暖化抑制につながるということです。

(引用:林野庁


特に最近政府によって推進されているのが、「国産材の利用」。

日本は、国土の2/3程度を森林が占めるため、その資源を活用しない手はありません。

輸入材のように海を渡った運搬が不要なので、大幅なエネルギー削減につながりますし、国内の林業・製材業が活発になることで、地域経済、ひいては日本経済の発展につながることも期待できます。

「木を伐ると自然破壊につながるのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、森林は「伐る・使う・植える」を繰り返すことで健康な状態を維持できます。

そのため、森林のサスティナビリティ(持続可能性)を高めるためにも、木材利用は重要なのです。

(引用:林野庁



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木造住宅にデメリットはある?建てる前に知っておくべきポイントは?

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木造住宅は、コスト面や耐久面、快適面、環境面で他構造と比べてメリットが多い一方で、知っておくべきデメリットや注意点もあります。

マイホームを後悔しないためにも、事前にこれから紹介する点をしっかりと把握しておきましょう。

耐震性を確保するためには柱・壁の量が必要

木造住宅は設計デザインの自由度が高く、将来間取り変更をしやすい柔軟性があります。

しかし、それはあくまでも耐力を確保した上での話です。

太い鉄骨で建物荷重を支える鉄骨造や、外壁・床スラブなどで建物荷重を支える鉄筋コンクリート造と比べると、どうしても柱の数や耐震壁の面積が必要です。

そのため、広々としたLDKの一部に柱や間仕切り壁を設けなくてはいけない可能性は拭えません。

また、主要な柱や耐力壁は、将来フルリノベーションをする際も取り除けない場合がほとんどです。

ただし、他の構造と比べて耐震性が劣るという訳ではありません。

建築基準法で定められている耐震基準は、住宅において構造種別ごとの規定はなく、全ての工法において「震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊する恐れがない」ことが求められます。

つまり、他構造と同等の基準をクリアしなくてはならないため、耐震性の差を心配する必要はありません。

防音性・遮音性を高めるためにはオプション工事が必要

コンクリートで空間を囲う鉄筋コンクリート造と比べると、木造住宅はどうしても防音性や遮音性が劣ります。

一般的な工法では、屋外の通行音や人の話し声が室内まで聞こえてしまいますし、逆に家の中の音も、外へ漏れ伝わってしまうのです。

どうしても騒音や音漏れが気になる場合には、床や天井、外壁面を二重構造にしたり、防音材を入れるなどのオプション工事をしなくてはいけません。


結露に弱い・腐朽やシロアリ被害のリスクが高い

木材の含水率が30%を超えると、シロアリや腐朽菌が生息・繁殖しやすくなる環境が整ってしまいます。

つまり、柱や土台など主要構造部の耐久性を大きく損ねてしまう恐れがあるということです。

木材の含水率が上がってしまう要因として最も考えられるのが、「結露」。

最近の住宅は高気密・高断熱化が進んでいますが、湿った空気を逃す通気の機能も兼ね備えていないと、壁内などの結露を助長してしまう恐れがあります。

そのため、高気密・高断熱住宅を建てる際には、豊富な知識と確かな実績のある会社へ相談することをおすすめします。

さらに、住み始めてからも、定期的な床下除湿剤の入れ替えや、防蟻工事を徹底することが欠かせません。

施工会社によって品質や性能レベルが変わる

木造住宅は日本において最もポピュラーな構造であるため、設計・施工する会社は多数あります。

費用や設計コンセプトだけではなく、住宅の標準仕様も様々です。

そのため、長く快適に住み続ける家を建てたい場合には、その会社が「断熱性」「気密性」「耐震性」などの性能について、どの程度のレベルを確保しているのかを確認しましょう。

「法律によってある程度は性能が担保されるはず」と思う方も多いですが、日本の建築基準法は、あくまでも”最低守るべき基準”を示しているに過ぎず、それが十分とは限りません。

木造住宅を建てる施工会社を選ぶ際には、選択肢が多い分、しっかり施工事例などを確認する必要があります。

ポイント
私たち“日建ホーム”は、他のハウスメーカーよりもだいぶ早い1999年から「高気密高断熱な木造住宅」の建築に取り組んでおり、ZEHの施工実績も豊富です 。



木造住宅の寿命は“100年”時代に

板張りと塗り壁の外観

少し前まで、日本では30〜40年で家を建て替えるという考えが根付いていましたが、省エネ化が求められる現代においては、住宅を手入れして住み続ける“長寿命化”を求める方が増えています。

建築技術や材料・設備の性能向上によって、日本における木造住宅の寿命は、確実に伸びているのです。

ここで、木造住宅の構造躯体で想定されている期待耐用年数について見てみましょう。

国土交通省の発表しているデータによると、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき設けられている“劣化等級”を獲得している住宅においては寿命が「50〜90年」、長期優良住宅としての認定を受けている場合ですと、その寿命はなんと「100年超」とされています。

2011年調査時に日本の住宅平均寿命が64年だったことと比べても、明らかに長寿命と言えるでしょう。(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について

つまり、一軒の家を二世代・三世代と“住み継ぐ”ことは決して特別なことではないということです。

他構造と比べて建築コストの安い木造住宅ですが、決して寿命が短いという訳ではありません。

むしろ、リノベーションのしやすさなどを考慮すると、長く住み続ける家こそ木造にする意義は大いにあるはずです。

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日建ホームは”高気密高断熱住宅・ZEH住宅”をどこよりも早くから手がけています

高気密高断熱の家

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どのハウスメーカーよりも早い1999年から、高気密高断熱住宅の建築に取り組んでいます。

また、日本でZEHが普及し時始めた当初より建築を手がけており、豊富な施工実績が私たちの誇りです。

「地域の特性を理解しているからこそ実現できる快適な“高気密高断熱の家づくり”」これこそ私たちの強み。

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まとめ|メリット・デメリットの両方を知って長寿命な木造住宅に

木造住宅は、他構造と比べてコスト面・耐久面・快適面・環境面において、決して引けを取りません。

むしろ、可変性や耐火性など、有利な点もあります。

ただし、メリットばかりを見てしまうと、いざ住み始めてから後悔してしまうかもしれません。

防音性や結露対策などの注意点についても事前に把握し、施工実績が豊富な会社へ相談しましょう。

私たち日建ホームは、お客様の思いに寄り添い、今まで培った経験を活かして「省エネ性の高い木造住宅」を手掛けてきました。

ご予算やご要望にしっかりと耳を傾け、あなたにぴったりのマイホーム計画をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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日建ホームでは、現在遠方にお住まいの方のために、随時オンライン相談も承っております。

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日建ホーム編集部

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