【気密測定とは】自分でできる?費用は?c値の数値基準やタイミングなど疑問にも回答

気密測定とは、対象とする住宅にどの程度の隙間があるのか確認するための試験のことを指し、1㎡あたりの隙間の量であるc値(c㎡ / ㎡)で表されます。
一戸建てを建てる場合、デザインや間取りのほか、住宅の性能を意識することが大切です。
中でも重要なものの一つが気密性で、評価する際に気密測定を行います。
本記事では、気密測定とは何か、さらに実施するメリット・デメリットなどについても解説します。
夏涼しく冬温かい家を建てるために重要な性能を満たす手段、気密測定のことを学びましょう。
● 高い気密性の住まいは、冷暖房が効きやすい省エネ・快適な住まいになりますので、気密測定のことを確認した上で、新築の際はぜひ実施しましょう。
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気密測定とは?
気密測定は、対象とする住宅に空いている隙間の量を評価する試験で、1㎡あたりの隙間の量であるc値(c㎡ / ㎡)で表されます。
隙間の量が少なければ、室内と室外の計画外の空気の交換を防げますので、夏涼しく冬暖かい快適な住まいを建てることにつながります。
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気密性を測定する試験

気密測定は専用の機器を利用して行います。
主な手順は以下のとおりです。
- 換気口への目張り
- 気密測定の実施
- 結果の確認
住宅には、施工する中で生まれた隙間のほか、本来必要な換気口・換気扇といった開口部があります。
こうした開口は換気計画上必要な隙間ですので、気密測定の計算に含めないよう目張り(仮に隙間を埋めること)が必要です。
目張りが完了した後に、気密測定用の機械を稼働させ外に向かって空気を送り出し、建物の隙間の大きさを調べます。
建物全体の隙間の量を床面積で割り戻すことで、単位面積あたりの隙間の大きさ(気密値・c値)を算出できます。
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気密値(c値)の目安は1.0(c㎡ / ㎡)
こうして算出した気密値(c値)は、一般的には1.0(c㎡ / ㎡)を下回る場合に、高気密な住まいと評価されます。
1.0を上回る場合は隙間風が侵入し断熱・気密の効果が薄れてしまいます。
ハウスメーカーによってc値の目標値を設定している場合、していない場合があります。温熱環境の優れた家を建てる場合は、c値の目標設定をしているハウスメーカーを選びましょう。
▶C値0.30 UA値0.42│日建ホームの高性能な住まいについて
気密測定の費用
気密測定を行う費用の目安は、1棟1回あたり5万円前後です。
ただし、測定できる業者の数が少ないことから、対象の住宅が業者から遠方にある場合には出張費がかかるなど、費用が高くなるケースもあります。
逆に、全棟を標準的に測定している会社では、1棟あたりの測定費用が抑えられる場合もあります。
気密測定をする「3つのメリット」

改めて、気密測定を行う場合のメリット・デメリットを確認しましょう。
まずは3つのメリットを紹介します。
気密性の良し悪しが分かり対策を取れる
1つ目のメリットは、対象とする住まいの気密性の良し悪しが分かること、さらに気密性を上げるための対策を取れることです。
気密性は目安を計算で求めることは可能ですが、建築後に実際どの程度隙間があるのか確認するには気密測定をするほかありません。
目標とする気密値に対してどの程度の気密性があるのかが分かること、そして気密性の不足が分かった場合に対策を取れるようになる点が最大のメリットです。
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施工者に緊張感が生まれる
2つ目のメリットは、施工者に緊張感が生まれることです。
目標とする数値が定められている場合、施工者は数値以下の気密性になるよう丁寧に施工することが期待できます。
また、想定通りの気密性が取れなかった場合に、原因を追求した上で目標値を達成するために部分的に再施工し気密性が高まるよう対策を行えます。
市場価値が向上し売却時の価格が高まる
3つ目のメリットは、市場価値が向上して売却する場合の価格が高くなることです。
気密測定の結果は、売却する住宅の性能がどの程度あるのかを示す指標になります。
同程度の住宅がある場合、より断熱性や気密性が高い家の方が快適な住環境であることを期待され、取引価格が高くなるでしょう。
こうした資産価値の上昇も気密測定のメリットになります。
気密測定をする「2つのデメリット」
一方で、気密測定を行う場合、デメリットもありますので紹介します。
測定費用が必要になる

気密測定をする1つ目のデメリットは、測定するために費用がかかることです。
通常であれば5万円前後、家が広い場合や測定業者が遠方から来る場合など、より費用が嵩む場合もあります。
住まいの性能よりも、間取りや設備に費用をかけたい場合には、気密測定の実施はデメリットとなるかもしれません。
施工をやり直す場合に工期が伸びる
2つ目のデメリットは、気密測定した結果、想定通りの気密性が得られなかった場合に、施工のやり直しがあると工期が伸びることです。
気密測定は目に見えないほどの隙間を測定することから、原因となる箇所が特定しづらく、やり直しの範囲が広がるケースも。
「この日までに入居したい」と期限がある場合は、気密測定および再施工がデメリットとなる可能性があります。

気密測定に関するよくある疑問・回答

記事の終わりに、気密測定に関連して聞かれることの多い疑問と回答を紹介します。
気密測定は自分でできますか?
A.c値を求める厳密な気密測定は、専門の業者に依頼する必要があります。
なお、ハウスメーカー側で気密測定について対応していない場合に、専門の業者に直接連絡して測定すること自体は可能です。
気密測定をするタイミングはいつ頃ですか?
A.施工中、外壁・内装の仕上げに入る前がおすすめです。
外壁・内装の仕上げ前であれば、気密値が目標値に達していない場合の手直し工事が容易です。
また、住まいの気密性を正確に計測したい場合は、仕上げ前に加えて、外壁・内装を含めて完成した後に再度実施することもおすすめです。
気密測定を希望したら嫌がられたのですが…。
A.ハウスメーカーによっては、気密性を重視していないケースもあります。
気密測定を行わなくても、法律に準拠した住まいを建てることは可能です。
気密性・断熱性に配慮された住まいを建てたい場合は、断熱性・気密性の目標値が設定されていたり、気密測定を実施しているハウスメーカーに依頼しましょう。
気密性能を高めるための方法を教えてください。
A.気密性を高める方法として、以下の方法が例として挙げられます。
- 高い気密性を期待できる断熱性を利用する(発泡ウレタンなど)
- 滑り出し窓など気密性の高い窓を利用する
- コンセントやスイッチボックスに専用の気密材を利用する
本記事で紹介しているように、気密測定を実施して実際の気密値を管理することも重要です。
気密性を高めるハウスメーカーの選び方は?
A.気密性の高い家を建てるためには、以下の点に留意してハウスメーカーを選びましょう。
- ホームページに住宅の性能について明記されている
- 目標とする気密値が明示されている
- 全棟標準で気密測定が行われている
たとえば、弊社日建ホームでは、気密性を示すc値や断熱性を示すUA値について、以下のように目安を公表しています。
こうした数値を検討中のハウスメーカー間で比較する視点も大切です。

▶C値0.30 UA値0.42│日建ホームの高性能な住まいについて
まとめ│気密試験の実施で確かな性能の住まいに

住宅の気密性を測定する、気密試験について解説しました。
気密測定することで気密値・c値を数値で確認でき、自宅の気密性を正確に把握できます。
気密値の不足が判明した場合は、原因となる隙間を埋めるなど気密性を高める具体的な対策も取れます。
その結果、高い気密性の「夏涼しく冬暖かい住まい」を実現することが可能です。
気密測定をする場合は、標準で全棟行っているハウスメーカーがおすすめです。
高い機密性の持つ住まいを建てて、快適な住環境を手に入れましょう。
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